本日の心理学・名言1460-4

現状維持バイアス1 ~スイッチング・コスト1~

スマホ(あるいはネット回線、保険など)のキャリアや
プランを変えたほうが安くなるのはずいぶん
前から分かっているけど変えずにいたり、
「人間関係を広げたいなぁ」「何か習い事でもしたいなぁ」と思いながら実行に移さなかったりということはないでしょうか。
人間には、大きな理由や魅力がないと新しいものにはチャレンジせず、現状を変えることを回避する傾向があります。
これを経済行動学では「現状維持バイアス」と呼んでいます。 現状維持バイアスには、新しいものに乗り換える際の経済的・時間的コスト(スイッチング・コスト)や、
リスクを回避しようとする損失回避性、
自分が使っているものの評価を高く見積もる
保有効果などが関連しています。
ここではスマホのキャリア変更を例にして「スイッチング・コスト」を取り上げます。
スマホのキャリアを変えるためにはショップに行って変更手続きをする必要があります。
新しいスマホの本体代金や変更手数料がかかります。
さらには電話帳やデータの移行、番号・アドレスが変わる場合は友人への連絡などなど非常に手間がかかります。これら経済的・時間的な
コストを考えると、あまり魅力的に感じられず「
まぁ、今のままでもいいか」となってしまうわけです。
そこで各社競ってCMを打ち、乗り換えのメリットを
アピールするのです。
最初のうちは基本料金の引き下げで競っていましたが、
次第にそれも底打ちになり変更手数料無料に。
さらにそれも各社均一になると、
ある会社は自転車やテレビをプレゼントしてみたり、
ある会社は家族割適用の範囲を広げたりという形で
スイッチング・コストを上回る魅力を打ち出そうとし続けるのです。
あるいはある会社は他社への乗り換えをされないように、
他社と同じ製品を契約できるようにして囲い込みをする戦略を取りました。さらにその他社は「つながりやすさ」という指標を前面に出す・・・。次はなんでしょうね。
昔は新聞の勧誘で洗剤を山ほどくれたり、
野球やサッカーの観戦チケットをくれたりしたものですが、
今はどんな手を使ってるんでしょうか。

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