本日の心理学・名言1460-3

カラーバス効果

質問です。みなさんは今日、赤い色のものをいくつ見たでしょうか。
自分の持ち物以外で、街角にあったものの中で
思い出してみてください。どのくらい思い出せますか?
多くの場合、「駅前の信号で立ち止まったから1回は見てるはず…。
あの店の看板が赤色で、前を通ったから多分見てると思う…。
あとは、ポストの前を通ったはずだけど、視界には入ってないかも」という感じではないでしょうか。
では、例えば朝のテレビ番組で「今日のあなたのラッキーカラーは赤です」と言われていたらどうでしょうか。
おそらく、赤い看板のお店もポストもはっきりと記憶されており、
「赤いスポーツカーも見たし、そういえばあれも・・・」と、
そのほかの赤いものもたくさん記憶されていることでしょう。
それは、“ラッキーカラーは赤”と言われることで、
赤いものに対する意識が高まり、
その結果として記憶に残りやすくなるためです。

このように、意識しているものほどたくさんの情報が自分のところに舞い込んできやすくなる(注意が向く)ことを「カラーバス効果(color bath effect)」といいます。
bathとは、“浴びる”という意味です。
上の占いの例ではラッキーカラーとして指定されることで、
普段は特別意識しない赤色が浴びるように目に飛び込んでくる、
つまり、意識して注意が向くようになるということですね。
このような効果は、色以外のことにも当てはまります。
例えば、知覚の選択制で、
自動車の教習所に通い始めて標識の勉強をして路上教習に出ると、「道路にはこんなにも標識がたくさんあるのか」と
始めて気づいた経験をした人も多いのではないでしょうか。
運転中はかなり意識的に標識を探すようになりますが、
教習所に通っている時期には、
歩行中にも標識に注意が向きやすくなることもあるでしょう。
それまでの生活の中でも、標識は視界に入っているはずなのに、
全く注意が向いていなかっただけなのです。
また、教習中は標識を意識して見ていますが、
久しく車を運転していないと、
生活の中でほとんど標識には注意が向かなくなり、
自分の家の前の道が一方通行か
どうかすら分からないこともあるでしょう(←私のことです)。
普段の生活で見落としているものというのはけっこう多いようです。
今日のテーマカラーを決めて
1日を過ごしてみるのも面白いかもしれませんね。

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