本日の心理学・名言1456-6

間接強化
学習や作業への意欲を褒め言葉や報酬などで高めることを
強化”と言いますが、
その強化のしかたによって意欲の高まり方は違ってきます。
ここでは、相手に対する「褒め言葉」に関しての
強化に焦点をあててみようと思います。
たとえば、あなたの創作した作品を見た
Aさんに「すばらしい作品ですね」と直接的に褒め言葉を言われるのと、 Aさんに「さっきBさんが、あなたの作品ほめてたよ」と
間接的な褒め言葉を言われるのでは、どちらがうれしいでしょうか。
まぁ、状況にもよりますが、直接言われるの(直接強化)は、
社交辞令としてのお世辞、下心のようなものが
入っているかもしれませんが、
間接的に言われるの(間接強化)は、
本当に褒めてくれている気がしませんか。
このように、第三者からの言葉には
利害関係が感じられず真実性があるので、素直に聞くことができます。 これが、間接強化の効果なのです。
相手のことを直接ほめるのもいいのですが、
上述のようにお世辞や社交辞令のように
取られてしまう可能性があります。で
すので、ほめたい人(Cさん)がいたら、
直接ほめずにその相手の親友などすぐそばにいる人(Dさん)に
「Cさんって、○○がいいよね」とさりげなくほめておいて、
Cさんに伝わることを期待しましょう。
もちろん、Cさんに伝わるという確証はありませんが、
DさんがCさんに嫉妬などをしない限りは
伝わる可能性は十分にあります。
なぜなら、それは良い情報だから。
CさんをけなすようなことであればDさんは伝えるかどうか迷い、
通常は伝えるべきではないと判断して秘密にしますが、
良いことであれば秘密にする必要はないでしょう。
ただし「沈黙の強化」(注)で説明しているように、
場合によってはDさんがけなされているように
感じてしまうこともありますので注意が必要です。
そうなった場合には、Cさんに伝わる可能性が低くなります。
そうならないように、Dさんのこともそれなりにほめつつ
Dさんの自尊心を満足させておき、
さらっとCさんのことをほめておきましょう。
あとはDさんが思い出して伝えてくれるかどうかです。
Cさんに伝わる可能性はDさんにかかっていますが、
先にDさんに伝えておく効果は十分にあります。
Dさんに伝えてしばらしくした後、
Cさんに対して直接ほめてみてください。
Dさんがすでに伝えていれば、
Cさんはそのほめ言葉をお世辞とは受け取らないことでしょう。
まだDさんが伝えていないとしても、
その後に効果が出ることが期待できます。
多くの人は”他者に認めてほしい欲求
”つまりはほめてほしいという気持ちがあり、
ほめられたときには嬉しく感じ、誰かに話したくなるものです。
その誰かというのは、
身近な存在であるDさんである可能性が高くなります。
CさんがDさんに対してほめられたことを報告したらどうなるでしょうか。普通だったらDさんは「そういえば以前に、
私にもCさんのことほめてたよ」となることでしょう。
これにより、直接ほめられた時にはお世辞かもしれないと
思ったCさんも、本当にほめてもらえているということが
確信できるでしょう。
ちょっと打算的だなと思われる方もいるかもしれませんね。
日本人は人のことをほめるのが下手だと言われています。
面と向かって言うのはちょっと気恥ずかしい関係もあります。
でも、他の人を介してだったら、
比較的簡単にほめることができそうに思いませんか。
管理職やサークル長・部長など人をまとめる必要がある人は、
こういったちょっとしたスキルを使って、
うまくモチベーションを引き出すことも必要だと思います。

(注)暗黙の強化
普通はほめ言葉や報酬によって行われる強化のなかには、
ほめ言葉を違った形で伝えるやりかたもあります。
それは、暗黙の強化といわれるもので、
どんなものか簡単に言うと、
ほめたい人と比較対象になる人をけなします。
けなされてない人は、
自分自身についてはけなされてもほめられてもいないのに、
相対的にほめられているのと同じような感じがします。
逆に、比較対象となっている人がほめられていると、
自分がけなされているような感じがします。
ちょっとわかりにくいかもしれないので、
兄弟を例にとって説明します。
兄弟はよく比較されがちですが、
親が兄のことばかりをほめていたら
弟は自分がけなされているように感じてしまいます。
逆に、いつも弟が叱られていると、
兄のほうは自分がほめられているような感じがします。
一人っ子の人もいるかもしれませんので、
恋愛を例にとってみます。
では、想像してみてください。
自分の彼氏(彼女)が、自分以外の女性(男性)のことを
ベタぼめしていたらどんな気持ちがしますか?
あまりいい気持ちではないでしょう。
特に、その女性(男性)が自分に身近な人で、
ライバルのような人だったらなおさらでしょう。
こんなんでわかっていただけたでしょうか?
第三者のことをあまり悪く言うのは、
陰口になるのでお勧めできません。
ただ、自分が好意を寄せている相手の前で、
第三者のことをほめるのはホドホドにしておいたほうが
いいということを覚えといてください。

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