本日の心理学・名言1607-9

@思考を歪める心理効果~認知バイアス
プロスペクト理論(prospect theory)
リスクを伴う決定がどのように行われるかについての理論である。
例えば、以下の二つの質問について考えてみよう。
質問1:
あなたの目の前に、以下の二つの選択肢が提示されたものとする。
1.選択肢A:100万円が無条件で手に入る。
2.選択肢B:コインを投げ、表が出たら200万円が手に入るが、裏が出たら何も手に入らない。
質問2:
あなたは100万円の負債を抱えているものとする。
そのとき、同様に以下の二つの選択肢が提示されたものとする。
1.選択肢A:そのまま100万円を支払う。
2.選択肢B:コインを投げ、表が出たら支払いが全額免除されるが、裏が出たら、支払額が200万円に増額される。
質問1は、どちらの選択肢も手に入る金額の期待値は100万円と同額である。にもかかわらず、一般的には、堅実性の高い「選択肢A」を選ぶ人の方が圧倒的に多いとされている。
質問2も両者の期待値は-100万円と同額である。
安易に考えれば、質問1で「選択肢A」を選んだ人ならば、
質問2でも堅実的な「選択肢A」を選ぶだろうと推測される。
しかし、質問1で「選択肢A」を選んだほぼすべての者が、
質問2ではギャンブル性の高い「選択肢B」を
選ぶことが実証されている。
この一連の結果が意味することは、人間は目の前に利益があると、
利益が手に入らないというリスクの回避を優先し、
損失を目の前にすると、損失そのものを回避しようとする
傾向があるということである。
質問1の場合は、50%の確率で
何も手に入らないというリスクを回避し、
100%の確率で確実に100万円を手に入れようとしていると
考えられる。
また、質問2の場合は、100%の確率で
確実に100万円を支払うという損失を回避し、
50%の確率で支払いを免除されようとしていると考えられる。
プロスペクト理論とは、
このような心理的傾向を考慮した意思決定論などを指す。

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