本日の心理学・名言1458-12

なぜブログが広がったのか
2004年から2005年にかけて、
Weblog(ブログ)という新しいインターネット上の情報発信形態が
注目を集め、ホームページを持っていない人でも
気軽に無料で始められることから
多くの人が様々な情報を発信するようになりました。
今回はなぜここまでブログが注目を集めるようになったのかを
考えてみたいと思います。
さて、今回のテーマを考える上で、
有用な先行研究がありました。
川浦・山下・川上(1999)は、ウェブ日記を書いている人を対象に、
なぜウェブ日記を書き続けるのかを研究しました。
それによると、ウェブ日記を始めた理由として、
自分を知ってほしいという「自己表現動機」、
アクセス数をアップするためという「手段的動機」、
他の人の日記を見て自分も書きたくなったという「同調的動機」という
大きく3つの因子が見いだされています。
そして、日記を継続して書き続ける要因として、
日記を書くことによって自分自身の理解が促進し、
緊張や不満感情の解放につながるという側面の
「自己に向かう効用」と
他者との相互作用を通じて自分だけでなく他者についても
理解が深まるという側面の「関係に向かう効用」が挙げられ、
「自己に向かう効用」は日記の継続に直接影響し、
「関係に向かう効用」は日記によって他者から
よく理解されているかという「被理解満足」を高め、
「被理解満足」の高さが継続を促進するという結果が出ました。
また、読者からのポジティブなフィードバックは
直接的に日記の継続に影響するのではなく、
「自己に向かう効用」「関係に向かう効用」「被理解満足」を通して、
間接的に継続を促すものであることが示唆されました。

後半のあたり、ちょっと難しいでしょうか。
日記を書くことで気持ちの整理や発散になること(自己に向かう要因)が日記を継続する要因となっており、
他者からのポジティブなフィードバックが気持ちの整理や発散に役立っているようです。
また、ポジティブなフィードバックをもらって他者と相互交流すること(関係に向かう効用)で、
自分のことを理解されていることが分かり(被理解満足)、
それが継続要因となっているようです。

この研究は、ホームページを運営している人がコンテンツの一部として日記を公開している場合のものですが、
ブログに関してもある程度適用できるのではないでしょうか。
日記というものは本来、他の人は見ないものだったので
出来事の記録やそのときの心情を
書き連ねるものだったと思いますが、
これほどブログが普及して日記を公開している人がいるということは、潜在的に日記を見て”自分のことを知ってもらいたい”という願望が
多くの人にあったのではないでしょうか。
もちろん、ブログはプライベートな日記だけのためでなく、
簡易ホームページとしての利用をしている人も多くいますが、
それもある意味では自己表現の場となっており、
双方向のコミュニケーションを求めている場合が多く、
広い意味で自分のことを知ってもらいたいという
願望があるのだと思います。
まぁ、私もブログを使って日記を書いているのですが、
私自身のことを言えば日記を公開している理由はもっと複雑です。
始めはサイトを立ち上げるに当たって
色々なサイトを見て勉強したところ、
日記を公開している人が多く、
また顔と名前は出さないので
来訪者に少しでも管理人を身近に感じていただければと思ったので、日記を書き始めました。
最初はサイトから日記へと流れる人だけでしたが、
次第に日記を先に知って
そこからサイトを見てくれる人がいることを知り、
アクセスアップの効果も狙っての更新となっています。
さらに、読者の方からコメントをいただけることも
更新の理由となっており、
また、そんなに頻繁には会わない友人への
近況報告の意味もあります。
途中から個人的な意見が多くなりましたが、
自分のことを分かってほしいという欲求と、
難しい知識不要で始められるというお手軽さ
(もちろん、その裏にはインターネットの普及があります)が
うけての広がりと言えるのかもしれませんね。

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