@負け犬からの挽回作戦
人は、あるものが人気と宣言されると、それに乗ってしまうという傾向があります。
これを「バンドワゴン効果」と呼びます。
バンドワゴンとは、 パレードで先頭の楽隊が乗った車のことで、
「 これからお祭りが始まるよ」と騒ぐ大勢の人が、、
パレードについて行ってしまう現象に由来する言葉です。
ブランドや芸能人などの流行の仕掛けはほとんどがこのバンドワゴン方式です。
今、若者に爆発的人気の超アイドルといったキャッチコピーなどがそれです。
しかし、いったんは爆発的人気になったアイドルも、
その人気をキープするのは非常に難しいものがあります。
なぜなら、常に賞味期限があるからで 、
忘却曲線を当てはめれば、せいぜい人気が半年がピークです。
放っておけばその後の人気は下落の一途となるのです。
そこで一旦落ちかかった人気の挽回策は何かと言うと、
もう人気者ではないのだということをあえて表明することです。
この狙(ねら)いを心理学では「アンダードッグ(負け犬 )効果」と呼びます。
例えば清純派で売り出した女優が、
できちゃった婚、 不倫、 離婚という経過をたどるようなケースがよくありますね。
こうなるともはや清純派では 売れません。
だから大胆な変身をしてそれまで見せなかったヌードを披露するなど、
演技派女優として盛り返すというのも見事なアンダードッグ戦略なのです。
アンダードッグ効果のポイントは文字通り負け犬になって弱みを見せることです。
したがって長い間人気者でいようと思えば、
まずバンドワゴン効果で華々しくスターダムに乗りつめ上り詰め、
やがて人気が衰えたらアンダードッグ効果であえて自分の弱みをさらけ出し、
周りがついつい応援したくなるように変身することなのです。
ただしアンダードッグ効果が有効なのは、
その人が本当はすごい人だったり、輝かしい実績があった場合に限ります。
元々ぱっとしない人が「私ってつまらない人間でして」などといったところで、
「ふ~ん、そうかもね」ってことになりかねないのでご注意ください。
バンドワゴン時代があるからこそ、アンダードッグがかっこよく見えるのです。
*忘却)曲線:
人間の脳は、半年も経つと対象への興味が薄れていくという都合のいい機能を持っています。
これをグラフ化したもの