本日の心理学・名言15453-5

窮地に陥った時「踏みとどまる」ための心理術~

窮地で逃げ出す人間は「腰抜け」だといわれますが、
実は、それが最も安全で、本能的な反応です。
どんな動物も、もちろん人間も、自分を守る為に、逃げるのが一番なのです。
心理学では、これは「自己防衛反応」」です。
窮地に立たされて逃げたくなるのは最も正しい反応ですから、
恥じることはありません。
それに、窮地に立たされたときに、逃げられれば逃げるのが一番簡単ですし、
一番いいのです。
しかし、人間の場合、仕事のことで命の危機を感じない範囲のことならば、
そこに踏みとどまって乗り越えるほうが、いい結果につながります。

そのことは、心理学の目標勾配(こうばい)仮説から予測できます。
高い目標にチャレンジした場合、
成功する確率よりも失敗する確率の方がはるかに高いのです。
失敗する確率が高いからこそ、チャレンジというのです。
したがって、目標が高ければ高いほど窮地であり、
マイナスの要素で満ち満ちていて、すぐにその場から逃げ出したくなります。
しかし、この思いを乗り越えないと、チャレンジは決して成功しませんので、
じっと耐えて乗り越えるのです。
逃げ道や言い訳はいくらでもつくれるので逃げることはできますが、
それを耐えて乗り越えるのです。

いったん逃げグセがついてしまうと、いつまで経っても飛躍できません。
もう一歩のところで逃げるグセがつくと、これを繰り返すようになります。
しかし、「ダメでもともと」と考え、精神的負担を軽くするなど工夫をすることで、
逃げ出さずに我慢して頑張り、
結果としてチャレンジが成功すると、大きく自己成長することができます。
ここぞと思った時には、
いさぎよくリスクを覚悟で目をつぶって飛び込むことが必要です。

*目標勾配(こうばい)仮説=目標に近づくほど、その目標の価値が飛躍度的に高まること。