本日の心理学・名言2544-1

記憶の仕方
人間の記憶というものは、さまざまな特性を持っています。

今回は、記憶に関することがらを取り上げてみたいと思います。

伝言ゲームという遊びがありますが、
これには記憶の特性がよく出てきます。

伝言ゲームとは、最初の人にあるメッセージが提示され、
それを順々に次の人へと伝言していくという ゲームです。
最初に提示されたメッセージをそのまま伝えれば、
最後の人までメッセージがきちんと伝わるはずですが、
伝えていくうちに徐々にメッセージが変わっていき、
最後の人がかなりズレたメッセージを言うのが
このゲームの面白いところですね。

では、なぜメッセージがそのまま伝わらないのでしょうか。

人の話や長い文章などは、一語一句覚えていては、
とてもじゃないけれど覚えきれません。
そこで、与えられた言葉をそのまま記憶するのではなく、
話の内容と意味を覚えようとします。
ですから、内容をきちんと伝えていれば、
最初と最後でそこまで大きな違いが見られないはずです。

しかし、伝言ゲームをしていると、
時には内容が大きく変わって伝わることもありますよね。
それは、人がある情報を記憶するときに、
その人が持っている知識構造に従えて記憶するからです。
つまり、同じ情報を与えられても
人によってその捉え方が異なり、
記憶の仕方も異なるということです
(「たくさんの花」と聞いて、お花畑を想像する人もいれば、
大きな花束を想像する人など人それぞれです)。
そのため、伝えられたメッセージを伝えるときには、
自分の言葉に変えたり、
話の内容に筋が通るように合理化したりするのです。
だから、伝言ゲームをすると
話の内容が変わっていってしまうのです。