@冬の日
急に強く吹いた風でさらさらに降り積もった
たくさんの粉雪がわっと高く舞い
一瞬まるで深い霧の中に入った時のように
目の前が真っ白になって私を包んだ
目の前のさわさわした雪はすぐに落ち着き
相変わらず控えめに降り続く空からの雪が
薄いシルクのカーテンとして
私と遠くの景色との間にかかっている
肌に当った冷たい雪の感触がじんじんと残り
冬の寒さに思いを馳せると
心の中に大切な人の顔が浮かんだ
今は遠くにいてすぐには会えない大切な人
寒さの中でどうしているだろうかと
向こうのほうに雲が途切れて
少しだけ光が射しているのが見えたから
その人に届くようにと願った 冬の日
HP:詩集~彩~より