心理学用語集 大

@# 自我機構化
「自我機構化」とは、
環境事物を自分(個体)の肉体と同じように
操作できるようになることです。
この機構化に対しては、
おのおの異なった三つの過程因子が作用します。
1
) その一つは、環境事物が自分(個体)に
機構化されるように選ばれると言うことです。
これは、環境事物が個体に機構化されるように
修正されていくと言うことを意味しています。
例えば、使いにくいハサミを使いやすくしたり、
複雑な機械を単純化するなどです。
2
) 他の一つは、自分(個体)が環境事物に
順応していき機構化する過程である。
これは、環境事物に自分(個体)が慣れていくということで、
今度は自分(個体)が環境事物に適応していくことです。
これは学習によってその順応を促進することが出来ます。
3
) もう一つは、この両者が併合されて機構化することです。
1
)と2)の両者が同時に行われていく、
すなわち、環境事物が個体に適応されるように選ばれると同時に、
その選ばれたものに対して自分(個体)も
その選ばれたものに順応していくことであり、
この両者の作用を使って機構化することです。
この「自我機構化」は、
個体の肉体的な限界の許す範囲までは可能です。
しかし、精神的なものなどで機構化できない場合があります。
これを「自我機構化不能現象」といいます。
#葛藤(コンフリクト)
二つまたはそれ以上の相矛盾する
刺激、あるいは要求が存在する場合に成立するものです。
その主要な形としては次の三つがあります。
A
接近―接近葛藤
この形は自分を中心にして、
二つの異なった方向に「正の誘意性(環境性)もったコンフリクトです。
B
退避―退避葛藤
この形は自分を中心にして、
二つの異なった方向に「負の誘意性(環境性)もったコンフリクトです。
C
接近―退避葛藤
この形は自分を中心にして、(二つの異なった方向ではなく)
一つの方向に対して正・負の誘意性を同時にもったコンフリクトです。
この形は、自分としては好ましい方向ですが、
その方向をとることによって、
自分にとって好ましくないことがあるために、
その方向に進むことが出来ないような状態であり、
そうかと言って、その場から逃げ出すことも出来ない状態です。
C
のコンフリクトは、一般に両者の力が平衡して、
平衡が相殺されずにいますので、
このような状態が続けば続くほど、
ストレス(緊迫)現象を高めることになり、
ついには精神異常まで追い込まれることがあります。
この状態を解決するためには、
自分の客観的な「思惟(思考)」と「意思」によるか、
第三者によって完全に遮断されなければ解決することは出来ません。
A#ブレインストーミング
集団でアイデアを出し合うことによって、
相互交錯の連鎖反応や発想の誘発を期待する技法である。
人数に制限はないが、5 – 7名、場合によっては10名程度が好ましく、
議題は予め周知しておくべきである。
ブレインストーミングの過程では、次の4原則(ルール)を守ることとされている。

Bブレインストーミングの4原則

%判断・結論を出さない(結論厳禁)
自由なアイデア抽出を制限するような、
判断・結論は慎む。判断・結論は、ブレインストーミングの次の段階にゆずる。
ただし可能性を広く抽出するための質問や意見ならば、
その場で自由にぶつけ合う。
たとえば「予算が足りない」と否定するのはこの段階では正しくないが、
「予算が足りないがどう対応するのか」と可能性を広げる発言は歓迎される。
粗野な考えを歓迎する(自由奔放)
誰もが思いつきそうなアイデアよりも、
奇抜な考え方やユニークで斬新なアイデアを重視する。
新規性のある発明はたいてい最初は笑いものにされる事が多く、
そういった提案こそを重視すること。
粗野(そや)言動が下品(野性的)で荒々しく、
品位に磨きがかかっていない様子」という意味
量を重視する(質より量)
様々な角度から、多くのアイデアを出す。
一般的な考え方・アイデアはもちろん、
一般的でなく新規性のある考え方・アイデアまであらゆる提案を歓迎する。
アイディアを結合し発展させる(結合改善)
別々のアイデアをくっつけたり、
一部を変化させたりすることで、
新たなアイデアを生み出していく。
他人の意見に便乗することが推奨される。
A#エンカウター
カウンセリングの一形態であり,
教師が用意したプログラムによって作業・ゲーム・討議をしながら,
こころのふれあいを深めていく方法である。
児童生徒たちに自分とは何かへの気づき,自己肯定,自己開示,他者への寛容などを学ばせ,
児童生徒相互の感情や情緒的コミュニケーションを回復し,

相互に認め合える人間関係を育てていくことをねらいとしている。
B#エンカウンターグループ
カール・ロジャースが開発したカウンセリングの方法。
構成的エンカウンター(予め課題が用意されたもの)
非構成的エンカウンター(予め課題が用意されていないもの)に大別される。
C非構成的(ベーシック)エンカウンター]
クライアント中心療法の理論を健常者グループに当てはめ発展させたもの。
グループで感じた事を思うままに本音で話し合っていく。
ファシリテーター(グループをまとめる役)によって進行する。
ファシリテーターはよく訓練された専門家でなければならない。
集団心理療法のひとつとして扱われるが、
参加者によってはエンカウンターに参加した経験そのものが、
辛い体験になってしまう場合もある。

D:構成的(グループ)エンカウンター
リーダー(ファシリテーターに当たる)から与えられた課題をグループで行う「エクササイズ」と
エクササイズ後にグループ内でそれぞれ感じたこと、
考えたことを互いに言い合う「シェアリング」で構成される。

教育活動として行われることも多い。
たいていの場合、エクササイズに入る前に自己紹介を兼ねたゲームなどが行われる。
グループのメンバー間の緊張をほぐし、その後のエクササイズを円滑に進めるためである
#プレグナンツの法則
プレグナンツの法則とは、人間の知覚の法則です。
「プレグナンツ」とは、簡潔なという意味の言葉です。
プレグナンツの法則には、代表的な3つの要因があります。
(1)
 近接の要因:
不思議なことに、近くにある縦線同士が、一つのグループになっているように見えてきます。
逆に、遠くにある縦線同士は、グループには見えません。
このように、人間の知覚には、
近くにあるものをグループであると自動的に認識する機能があるということです。
また、視覚的なものだけではなく、時間的にも近いものはグループとして認識されます。
(2)
 類同の要因:
人間の知覚においては、同じような物を一まとまりのグループとして認識します。
(3)
 閉合の要因:
不思議に、お互いが閉じあっている部分が、
一まとまりのグループとして、認識してしまうものです。
逆に、お互いが開き合っている部分は、
グループとしては、認識しづらいものです。
例えば、枠でくくられていたりするものは関連付いて見えます。
三つの[ ]があるように見えると思います。
][
の方が距離が近いですが、
三つの[ ]に見えてしまうので、
1)近接の要因よりも強いのかもしれません。
【    】【    】【    】
以上のように、人間の知覚は、
プレグナンツの法則によって、
意外にも、勝手にグループ化して、認識してしまうものです。
#仮定の法則
一般に、私たちは仮定というと、仮にという、あることがらの前提に用いています。
この法則は、その発展した考え方に他ならないのですが、
これを理論的に知ることにしましょう。
通常、私たちは、そこに何か「有る」とか「無い」とか言って、
その何かをお互いに認めたり認めなかったりしています。
それは、今ここに私たちがいるという前提に立って、
何かが「有る」とか「無い」とか言っているということを知らなければなりません。
もし、私たちがそこにいなければ、
何かがそこに「有る」か「無い」か、それさえ分からないのです。
それをまず理解することによって、さらに広い視野を持つことになるのであります。
それは、自分がいる世界と、自分がいない世界があるという認識を深めたことになります。
そこで、この二つの世界が一つになって、
私たちの心理の世界を形成していることを認識することが重要です。
さらに付け加えて注意しておかなければならないことは、
自分のいる世界とは、現実にそこに自分がいるという
肉体的な存在という考え方に陥りやすいのですが、
自分が肉体的にいない想像の世界も想像することができるわけでですから、
自分がいるということは、自分が認識できる範囲ということになります。
ここで、自分が認識できる世界は、自分がいる世界のほんの一部の世界であり、
その一部に過ぎない世界は、自分が決めた世界であることを知ることが重要です。
そこで、自分が決めるということは、この広い心理の世界からみれば、
一つの仮定に過ぎないということを理解してください。
それは、私たちは、心理の世界において、
一つの仮定の上に立つという心理の法則に従わなければ、
何物も認めることができなくなることを意味しています。
これを「仮定の法則」といいます。
#インプリンティング(刷り込み)
記憶は、何度繰り返し覚えても使わないでいると薄れてくる、
といったことがあるかと思いますが、
発達のごく初期の時期に、
「覚えた記憶が、その後それを変更しようとしても、
なかなか変更できないほど強固な記憶となる現象」があります。
それを、心理学用語で「インプリンティング」といいます。
このインプリンティングは、発達心理学の分野などでもよく取り上げられていますが、
元々は、動物行動学者のローレンツが提唱した概念です。
あるとき、ローレンツがハイイロガンの卵を孵化させていたところ、
自分の目の前で孵化した雛鳥だけが、なぜか親鳥ではなく、
自分を追いかけてくることに気づきました。
ガンの仲間の雛は、生まれつき親の後を追いかける習性を持っていますが、
雛は親の顔を知りません。
そこで雛は、生まれた直後に目の前にある、
自分より大きな動くものを親として記憶し、その後を追うのです。
通常記憶は、時間をかけて学習されるものですが、
雛鳥が瞬時に親を記憶する現象をみて、
ローレンツは、「まるで雛の頭の中に瞬時に印刷されたかのようだ」
という仮設を立てました。
生まれたばかりのか弱い雛鳥にとって、
自分を敵から守り育ててくれる親から離れずにいることは、
生死に関わる大問題です。
その為このような特殊な技能があるのかもしれません。
ローレンツはこの現象が、
まるで頭の中に一瞬の出来事が印刷されたかのようだとして、
刷り込み(imprinting)と名付けました。
#タナトス(死の本能)
本能といえば自己保存本能と捉えるのが普通だろう。
これはエロスと呼ばれ、エス(性的及び生的衝動)の源とされる。
そこから発生するエネルギーがリビドーということになる。
精神分析の分野では、
同時に、死の本能としてタナトスというものも
人は抱えていると想定している。
エロスが保存を目指すのに対し、タナトスは破壊を指向する。
人間にとっての破壊とは死を意味する。
しかし、人間が生まれてくる前というのは、
死と殆んど変わらない状態であったことも事実と言える。
死の世界、無の世界から人間はこの世に生を受ける。
そして、誰もがいずれその生を終える。
死=無という世界から人はやってきて、
当たり前のようにその世界に還っていくわけだ。
生の破壊によって死はもたらされるが、
客観的に考えると死=無というのは、
人間にとって非常に安定した世界ということができる。
「死の本能とは、実は安定したい衝動である」
と言い換えることができると思う。
これは物質の性質でも同様だろう。
ビルの立ち並ぶ都会は不安定な世界だ。
破壊の力で瓦礫(がれき)に姿を変えたときから、
安定への時間が刻まれる。
どんなに堅固に見えるものであっても、
不安定を予感させない美はおそらく存在しないだろう。
#支出の合理化・正当化
今すぐに必要なわけではないモノを買い過ぎてしまったような場合には、
『支出の合理化・正当化』のバイアスが働きやすくなる。
本当は通勤や送り迎えに使う150万程度のコンパクトカーを買うつもりだったのに、
少し大きめの250万するワゴンを買ってしまった場合には、
#スペースが広いほうが沢山荷物を積めて何かと使い勝手が良いから、
#こんな大きな買い物はもうしばらくしないから、
#どうせ分割払いにすれば僅かな金額の違いになるから
#せっかく高いものを買うなら本当に気に入ったものを買ったほうがいい
#(普段は2人しか乗らないのに)後部シートにも乗れば7人も乗れるから
などもっともらしい理由を並べることによる支出の合理化が行われることは多い。
本当に必要と思われたものよりも高級・高額な商品を買った場合には、
%高い商品のほうが品質が良いから長持ちするはず。
(すぐに新しいモデルが欲しくなるのに)
%結果として安物買いの銭失いにならずに済んだ
(標準的な商品の品質が十分なものでも)
%本当に満足できるものを買わないと結局使わなくなって意味がない
などの合理化や正当化が行われることになりやすい。
支出の合理化・正当化で判断・選択を誤らないためには、
『初めに定めた予算・全体的計画的な予算』の範囲内で、
買い物や契約ができているかを定期的に検証することが大切であり、
『その場の気分や勢い・サンクコスト』に流されて、
買える時にどんどん買っておこうというような自棄(→やけ)にならないことである。
*バイアス:傾向、偏向、先入観、データ等の偏り、
思考や判断に特定の偏りをもたらす思い込み。

*サンクコスト:それまでに費やした労力やお金、時間などを惜しんで、
それが今後の意思決定に影響を与えること

認知の歪みの典型的なパターン
1
: 全か無か思考:状況を連続体ではなく、たった2つの極端なカテゴリーでとらえること。
物事を両極端、白か黒か、全か無か、のどちらで考える完璧主義。
2.:過度の一般化:その状態が永遠に続くと考える。
3:心のフィルター:全体像を見る代わりに、一部の否定的な要素だけに過度に着目する。
4a マイナス化思考:肯定的なことをたいしたことではないと、無視、軽視する。
4b.肯定的側面の否定や割引き:肯定的な自己の経験、功績、長所などを不合理に無視するか、
割り引いて考える。

5.:結論の飛躍
「心の読みすぎ」→勝手な否定的憶測
「先読みの誤り」→事態が悪くなっているだろうと予測する。
6:感情的理由付け:自分がそう感じる(そう信じている)から、それが事実に違いないと思い込み、
それに反する根拠を無視するか、低く見積もる。

7.:過大解釈と過小評価:(拡大視/縮小視):自分の良いところを過小評価し、他人の良い所を過大評価する。
8: 「ねばならない」「べき思考:自分や他人の振舞い方に、厳密で、固定的な理想を要求し,
それが実現しないことを最悪視する。

自分または他人を「~べき」「~べきでない」と批判する『性格の中枢』。
9: レッテル貼り:より合理的な根拠を考慮せず、自分や他者に対して、固定的で包括的なレッテルを貼り、
否定的な結論を出す。

10.:個人化(自己関連付け):他者の否定的な振る舞いを、他のありそうな見方を考慮せずに、
自分のせいだと思い込む。

11.:破局視(運命の先読みとも呼ばれている):他の可能性、特に現実的にありそうな可能性を考慮せず、
未来を否定的に予言すること。

12:読心術他のより現実的な可能性を考慮せず、
他者が考えている内容を自分が分かっていると思い込む。

13
:トンネル視:状況に対して、否定的な側面しか見ない。
例:
息子の担任教師は、何ひとつきちんとできない。
彼は批判的で、鈍感で、しかも教え方が下手だ。
#群集心理
人は個人ではやらないようなことも、集団になるとやってしまうということがあります。
いわゆる“群集心理”とは、主に社会心理学の観点から研究されています。
そもそも、群集とは「不特定多数の人間が、
共通の動因のもとに一時的にある場所に集まってできる未組織な集合体のこと」と定義されており、
“群衆”と表記されることもあります。

 そして、共通動因の発生の仕方の違いによって、以下の3つに分類されます。

(1)突発的群集:事故や災害など予測不能な緊急事態の発生によってできる

(2)偶発的群集:人々が共通に惹かれるような潜在的動因が存在する場所に、
大勢の人が一斉に押し寄せてできる

(3)定期的群集:共通の動因をもつ人々が定期的に一定の場所に集まってできる

また、群集が動態的であるか受動的であるかによって、
動態的な場合は暴衆(モッブ)と、受動的な場合を聴衆に分類することができます。
それぞれの特徴として、
暴衆(モッブ)については、

1.攻撃的暴衆(暴徒):リンチやテロ、暴動等を行うもの

2.逃走的暴衆:パニックなど

3.利得的暴衆:バーゲン・セールに殺到するなど

4.表出的暴衆:リオのカーニバルの舞踏群集やデモ隊など

*暴衆:激動的な共通動因によって駆り立てられている活動的群集のこと。

暴衆は基本的に未組織な低次の集合行動であるとされていますが、
心理学者の
スメルサーによって、実は高次の社会運動との連続性(デモ隊の活動からスタートし、
最終的に独裁政権状態を覆すなど)が指摘されています。

また、聴衆については偶発的聴衆(たまたま、そこに複数の人間がいただけ)と
意図的聴衆(目的があって複数の人々が集まった)の
2形態に分類するケースもあります。

さらに群集の状態が組織化されているのか、未組織の除隊なのかという観点から、
同一の目標をもつ者が同一の場所に殺到し競争しあってできる
無統制群集と、
既存の権威や統制に反発してできる
反統制群集
あてもなくさまよう人々によってできる
非統制群集3つの形態分類もあります。

群集に様々な種類が前述のようにあるわけですが、
心理学者の
ル・ボンは、群集に巻き込まれた人は、
自己の意思による判断ができなくなると同時に、
群集には個々人の時とは異なる心性が働くと考え、
群集心理の特徴を
非合理性・精神的同質性・感情性・匿名性・無責任性・被暗示性等にあると
指摘しています。

つまり、群集とは一様に「良くない状態の集団」というニュアンスが強いわけです。
これらの個人を超えた集団(群衆)や社会という、
より大きな単位で人間の心理を研究しようとする潮流が現在の社会心理学の礎となっているのです。