@究極の褒めテクニック
誰でも褒められて悪い気はしませんよね。
ですから褒め上手な人が人間関係を深める達人であるのは、
ほぼ間違いないことでしょう。
しかし的の外れた言葉でただペラペラと褒めちぎればいいというわけではありません。
そんなのはむしろ逆効果です。
褒めるというのは案外と難しいものですよ。
相手の心をズバッと捕らえて喜びや感動を与えるような褒め方でなくては、
かえって「この人嘘っぽい」という欺瞞的な印象を与えてしまうだけです
古い例えになりますが、世界的女優のマリリン・モンローがあなたの目の前に居るとします。
さあ彼女をどう褒めますか。
ありがちなのが、「今日もセクシーですね!」 「なんて色っぽいんでしょう!」
そんな感じだと思います。
しかしそういう内容を何度繰り返し指摘したとしても、
ご本人は何も感じないのではないでしょうか。
そんなことはまさに耳にタコで、ご本人自身当然のことだと思っている可能性が高いからです。
では一体どこを褒めれば正解なのでしょうか。
それは自分は知らないのに他人だけが知っているところ なのです。
当人すら、これまで気づかなかった点を上手に指摘して褒めてあげると誰でも感激します。
「へ~そうなの?」「 自分ってそんな所があるの?「よく見てくれているんですね!」と
意外性と同時に感激を覚えます。
この意外性こそが 褒めに含める べき重要なポイントです。
では先ほどの例に戻って 、マリリン・モンローの場合はどういう点を指摘してあげれば、
あなたのことを印象深く記憶に残してくれるのでしょうか。
例えばですが、「あなたの芝居には知性を感じています」とか
「低い声と憂いの表情がたまらない」といった、
彼女があまり 言われたことのない言葉ではないでしょうか。
「他人だけが知っている自己」= 「開くかもしれない窓」を叩くことで、
人間関係は深まります。
こちらには見えるけれど相手がまだ気づいていない魅力、能力、可能性を探して指摘することが、
簡単で慣れるまでは難しいことがあるかもしれませんが、
実は最も効率的な究極の褒めテクニックなのです
心理学では人には四つの人格的側面があると整理されています。
これは研究者の名前をとって ジョハリの窓と呼ばれています。
この四つの窓のうち、開くかもしれない窓を探し当てて褒めることのできる人が、
本当の褒め上手ということですね。
*欺瞞(ぎまん):あざむくこと。だますこと。
*ジョハリの窓:自己分析に使用する心理学モデルの一つで、
自分自身が見た自己と、他者から見た自己の情報を分析することで、
次の4つに区分して自己を理解するというものです。
A::自分も他人も知っている自分の性質(解放)
B: 自分は気付いていないが他人は知っている性質(盲点)
C: 他人は知らないが自分は知っている性質(秘密)
D: 自分も他人も知らない性質(未知)