@A:
一刹那(いっせつな)とは一瞬ということである。
正念場は歌舞伎からきた言葉。
一曲・一場の最も重要なところ、ここぞという大事な場面を指す。
一瞬一瞬を人生の最も大事なところ、人生の勝負どころ、
本番と捉えて真剣に生きよ、と教えている言葉が一刹那、正念場である。
人生は山登りに譬(たと)えられる。
山登りには登る人と下りる人がいる。
それは年齢ではない。
「90パーセントの人は山を下りている。
90パーセントの人は力を出し切っていないからだ。
人生の山を登っている人は10パーセント」
と言うのは人材教育家の井垣利英(としえ)さん。
なるほど、と思う。
そういえば、明治期のリーダーたちは、
「自分が一日怠ければ、日本の進歩が一日遅れる」
という気概を持って生きていた。
当時の日本には山を登っている人が多かった、ということである。
だから日本は日清・日露の戦いに勝利し、
世界に伍(ご)していくことができたのだといえる。
*伍する:同等の位置に並ぶ。肩を並べる。
@B:
かっこよく生きている人たちは、ほぼ全員、同じことを言う。
「ただ、好きだからやってる。」、「ただ、楽しいからやってる。」
勝負は、その「純度」だと想う。
余計なことをいろいろ考えて、不純物が混じると、
人生も、複雑になってくる。
by高橋歩(たかはし・あゆむ*実業家、随筆家)