%自己重要感を理解すれば人間関係は上手くいく!
最近、「自己重要感」という言葉を良く耳にしますが、
「自己重要感」というと、
・人より優れた部分を持っている
・人から尊敬されたい
・自分は価値のある存在であると認めてもらいたい
というような欲求と言われています。
これらは、他人と比べて自分はどうか?という視点だったり、
他人から自分はどう見られているか?
という視点で捉えられていることが多いような気がします。
しかし、それは自己重要感の一部しか説明していることにならず、
正確な説明になっていません。では、自己重要感とは何なのでしょうか?
@自己重要感は自己肯定感と有能感とを合わせて構成
「自己重要感」と似た言葉として「自己肯定感」という言葉があります。
自己重要感や自己肯定感という言葉の意味合いは、
専門家によって様々な捉え方があると思いますが、私は次のように考えています。
人の存在の根底には「自己肯定感」があり、
「自己肯定感」の上に「有能感」というものがあり、
両者を合わせたものが「自己重要感」であると考えています。
「有能感」とは、何かができるとか資格を持っているとか、地位や名誉、立場など、能力がある自分をすごいと感じる感覚です。
一方、「自己肯定感」とは、なにかができるとかできないとか関係なく、
どんな自分であっても存在すること自体に価値があると感じる感覚です。
生きているだけで幸せと思える感覚といっても良いかもしれません。
@自己肯定感が低く、有能感が高い人は要注意!
自己肯定感が低くても有能感が高い人が自分は自己重要感が高いと思ってしまうと、それは大きな落とし穴だと思います。
例えば、社会的にも成功して周囲からも認められている人、
仕事をバリバリやっていて部下からも尊敬されている人、
そんな人がある日突然、何かの病気になって仕事ができなくなってしまったり、
何かのトラブルで地位や名誉を失ってしまったりしたら、どうでしょう?
自己重要感が高いと思っていても、そのほとんどが有能感だったとすると、
自分の優れている部分、人からの尊敬や評価などが自己重要感の大半のため、
先述した例のようなことが起きると、一気に自己重要感がなくなってしまい、
廃人のようになってしまったり、死にたいと思うようになるかもしれません。
逆に、自己肯定感が高い人は、そのような事態になってしまったとしても、
一時的にショックを受けたり落ち込んだり
悲観的になったりすることがあったとしても、
また頑張ればいいと思い直して、困難を克服していくことができると思います。
廃人になったり、死にたいとまで思うようなことはないと思います。
勉強ができる、仕事ができるとか、
会社の社長だからとか、
一流企業に勤めているからとか、
年収○○千万円あるとか、
立派な家に住んでるとか、
そんな他人との比較や他人からの評価主体の有能感で自己重要感が満たされていると、
何かの仮面や鎧があるから自分はすごい、
価値があると思っている部分が大きすぎるので、
仮面や鎧を取った自分はちっぽけで価値がないと無意識に思っているかもしれません。
自分の無価値感を隠すために、何重にも仮面をかぶったり、
頑丈な鎧を身につけて、ひたすら頑張ってしまう人生になってしまいます。
そして、ちっぽけな自分を見られないようにするために、
権力を使って弱い立場の人を攻撃したり、
仮面をかぶった自分を使って人を集めて自分の周りを取り囲んだり、
はたまた、自分はちっぽけで無価値な存在だと、
自ら自分を攻撃して苦しめてしまったりします。
パワハラやうつも「自己肯定感」の低さが原因とも考えられます。
@自己肯定感を高い状態で保つことの重要性
逆に「自己肯定感」が高い人は、
「有能感」は自分にとってのプラスαだと思っているので、
いつでも仮面や鎧を取ることができるし、
人との関わりにおいても対等な関係で、
お互いを尊重したコミュニケーションが取ることができます。
そして、他人と自分との違いを認めているので、
自分は自分、他人は他人として捉えることができ、
他人の優れている部分を素直に認めて誉めたり、
賞賛したり、尊敬することができるのだと思います。
@相手の承認欲求を満たすことがコミュニケーションでは重要
自己重要感はコミュニケーションで信頼関係を築く際に
大切な要素と言われていますが、
それは相手の承認欲求を満たせてあげるということです。
日本には昔から「人を立てる」という言葉があるように、
「すばらしい!」「すごい!」というような誉め言葉を使ったり、
相手のことや相手の話に関心を持ったり、
ねぎらうなどのコミュニケーションを取ることで、
相手の承認欲求や自己重要感を満たすことができ、
コミュニケーションを円滑にしたり信頼関係を深めることができます。
@しっかりとした自己肯定感が良好なコミュニケーションに必要
そのようなコミュニケーションを取るためには、
根底に自己肯定感がしっかりしている必要があります。
なぜなら、それがしっかりしていないと、
相手と自分を比較してどちらが上か下かを考えて、上から目線になってしまったり、
相手に良く思われるためだけに相手を持ち上げてしまったりするので、
相手に違和感や不信感を持たれる可能性があるからです。
相手にもうわべだけで本心から言われていないということがわかってしまいます。
相手を立てるということも重要ですが、
まずは自分の価値を認めて自己肯定感を高めることが
コミュニケーションにとって重要なことだと言えます。
@自己肯定感は今からでも高めることが可能
自己肯定感の低さの原因は、
幼少期の養育過程に大きく影響しているといわれています。
具体的には、幼少期に過保護や過干渉で何から何まで親が決めたり、
親にやってもらってきた場合や、
良くできた時だけ誉められて、
できない時には誉めてもらえず否定される条件付きの承認など、
養育者にありのままの存在を認めてもらえなかったり、
無条件の愛を受け取れなかった場合に、自己肯定感が育まれないと考えられます。
幼少期の養育過程が良くなかったとしても、
大人になってからでも自己肯定感を高めることはできます。
その方法は、自分と他人を比べたり、
できない部分や劣っている部分を責めたりするのではなく、
どんな自分でも○(マル)、OKを出してあげることです。
自分にとって最も近い存在は自分自身です。
無意識の自分自身への語りかけは一日に数万回といわれています。
自分に対する無意識の否定的な語りかけを減らすことが必要です。
良いところも悪いところも全部含めてありのままの自分を認めて受け入れること、
自分の感情や感覚を大事にすること、
自分で自分を愛してあげることで自己肯定感を高めることができます。
そしてそれが、ひいては他人の自己重要感も認めてあげることに繋がり、
よりよい人間関係にも繋がると思います。
@自己肯定感=人間個人の存在意義(私見)
@ヘーゲルというドイツ人哲学者の言葉に
「存在するものは合理的である」という言葉があります。
存在するからには、必ず何か理由があって存在しているということですね。
それが、たとえ直接的に見えなくても、
社会に存在しているという事実が、社会の役に立っている、
あるいは誰かに喜んでもらえている、ということの証なんですね。
by池上彰(いけがみ・あきら*ジャーナリスト)
これらを勘案して、、様々なものには、エネルギーが存在し、
それらの大元締めが、ある意思ともいうべきものを持っているかのように
万物の仕組みを司っているという認識を持つことが大切です。
そして、人間個人の存在の背景には、
地球の存在、人類の存在、何万人という人の命(受精の奇跡)のバトンリレーがあり、
人間個人は、それらの結集であるということを重く受け止めることが大切です。
人間個人が、この世に存在しているものは、
ヘーゲルというドイツ人哲学者が言うように、
人間個人に存在意義が「ある」から存在していると言えるのです。