幼児期決断(一種のトラウマ)~~修正するミニスクリプト理論

フロントページに戻る
トッピクスリストへ戻る

人生脚本~禁止令と対抗禁止令!
人生脚本とは人生早期に親の影響下に発達し、現在も進行中のプログラムを言い、個人の人生の最も重要な局面で、どう行動すべきか指図するものです。

〇禁止令とは、親から、物心がまだつかない(幼児期)に、無言でわたされる子供の態度行動に関する、親の感情的な不合理な命令をいいます。

つまり子供の行動に対して、否定的なしかめっ面や、攻撃的視線など、逆に親の喜ぶ顔や微笑など、親の無意識な本音を子供がうけとって、
自分にブレーキをかけることを禁止令といいます。
これは物凄く強烈で、ほぼ強制執行的圧力で、
無意識のところからその人間をコントロールします。
ですから、トラウマと同じ働きをする、と言えるのです。

〇対抗禁止令は、禁止令の後に出されるもので子供は物心がもうついています。
親が指示的に言葉で子供に伝えた、オマエはこうあれ、というもので、
親の期待や願望に子供を縛り付けるものです。
たとえば、オマエは勉強をして人の上に立て。。。とか。いつもいい子でいでいなさい。
一生懸命やりなさい・・。他人のために、他人を喜ばせなさい、ぐづぐづしないで・・
急げ・・・・!など・・・。

この二つの禁止令なのですが、成長していく課程においては、対抗禁止令の方が優先されます~~何しろ物心が付いている時に親から言われたことですし、
至極まともに聞こえますから。
俗にいういい人ほど、この対抗禁止令をかたくなに守ろうとします。
しかし人間ですから、どこかで対応できなくなる時が訪れます。
この時に頭をもたげてくるのが物心がまだつかない時に態度で示された禁止令なのです。
その結果は、必ずと言っていいほど禁止令(不合理なもの)の方が勝ってしまうのです。
そして、今までの性格からは全く想像できない悪い方向の事態に一瞬にして陥るので、周りの人も何が起こったのか唖然とすることになるのです。
下記に示す、駆り立てるもの(ドライバー)の隠れた禁止令の恐ろしさなのです。
五つの駆り立てるもの(ドライバー)は対抗禁止令(カウンター・インジャンクション)に当るものでそれぞれがその裏側に禁止令(インジャンクション)が隠れているのです。

(NO.)対抗禁止令→禁止令
(1):完全であれ→ありのままであるな、リラックスするな、油断するな
(2):もっと努力しろ→成功するな、自由であるな、満足するな、楽しむな
(3):他人を喜ばせろ→重要であるな、自分を後回しにしろ、でしゃばるな
(4):急げ→自由であるな、リラックスするな
(5):強くあれ→感じるな、感情を表現するな

*    「何々するな」という禁止令(インジャンクション)の場合
私は他の人のようにはっきりと意見を表明できない。」というような幼児決断をしやすいことになります。

*    「存在するな」という禁止令(インジャンクション)の場合
これに近いニュアンス(お前が居なければ・・・・)の禁止令に対する子供の反応として、子供は「よし、それなら必死に働いて自分の存在を認めさせよう、でもいざとなったら、いつでも自分が身を引こう」というような幼児決断をしやすいものです。また、「もし、私が死んだなら、あなた方は私を愛してくれるでしょう」とか、「例え自分を殺すようなことをしても、絶対に目にものを見せてくれるぞ、絶対に復讐してやるぞ」というような幼児決断をしやすいものです。

*    「重要であるな」という禁止令(インジャンクション)の場合
親の立場が強調されて子供が後回しにされた場合や大人と子供とにはっきりした差別がある場合に与えられるインジャンクションで、これに対する幼児決断として「よし、それでは他人を喜ばせて満足されるように努めてみよう」とか「自分は絶対にでしゃばらないで、一番最後に回って皆の世話をしよう」とか「どんな場合でも自分は目立たないように、頭角を現すようなことをしないようにしよう」などが挙げられます。

*     「子供であるな」という禁止令(インジャンクション)の場合
例えば父親が早く死んで母親が長男に「お前だけが頼りだ」という態度を示す場合に成立します。この場合、一刻も早くお母さんの話し相手になって、お父さんの変わりになろうという幼児決断をしがちになります。こういう決心によって年齢以上に背伸びして、大人びたり、強がったり、自分自身の自由な子供の自我を正直に表現できない大人ができてしまいます。これは、ある意味でコンピューター的な問題解決能力は持てる人生脚本ですけれども、自由な子供の自我の中にある伸び伸びとした動きを不自由にしてしまうインジャンクション
その結果、一生懸命に努力すればするほど、かえってそれが仇となって、対抗禁止令より、先に潜伏している禁止令によってストッパーがかかって実行不可能になるという自己矛盾のカラクリが働き出すのです

*「成長するな」という禁止令(インジャンクション)の場合
親が立派で子供はいつでも親の保護下にあったり、手伝ってもらって勉強をして利するという場合に与えられます。子供の側は「よし、それなら何も最後まで頑張ってやることは絶対ないのだ。いつでも中途半端で投げ出してやろう」という決心をするかもしれませんし、「僕は間抜けだ」「間抜けらしく生きてやろう」とか、そういう決心が成立する可能性もあります。

*「男の子、女の子であるな」という禁止令(インジャンクション)の場合
あなたが四人姉妹の末っ子で、親から「もし、お前が男の子ならなぁ」態度を示した時に成立し、お母さん、お父さんがそう望むなら私は男に負けない人生を送ろう」という決断をしがちです。その決断によって彼女は男勝りの人生を歩むということになるでしょう。

*「正気であるな」「健康であるな」という禁止令(インジャンクション)の場合
子供が病気の時だけ熱心に世話をして、健康な時には全く無視したり、あるいは両親に不和があって、子供が少しおかしな行動をしたり、病気になったりすることで両親の間が断絶されず何とか家庭崩壊をまぬがれて、子供の世話にかまけてしまうという場合にこのメッセージが与えられます。子供の側は身体全体で、「私は正気ではない、病気なのだ。誰にも負けないほど病理的な人間になってやる。そうすれば両親のためになりそうだ」というような決心をします。統合失調症のような状態の中には、このメッセージに対する幼児決断の表れという場合が多いのです。

*「所属するな」という禁止令(インジャンクション)の場合
両親がフラフラの浮浪の旅を続けていたり、そういう精神状態である場合に子供に与えられるメッセージです。子供の側に取りますと「誰とも仲間にならない」「どんなグループにも属さない」「自分は、どこにも所属しないから、自分は誰からも愛されるようにならない」というような幼児決断する可能性があります。

*<ミニスクリプト理論>
人生脚本(注1)に関しては一つには再決断派(注2)がありますが、もう一方においてはミニスクリプトという理論が展開されました。この二つは交流分析(TA)の人生脚本理論の新しい大きな展開と言われています。
人生脚本を非常に短時間に生起する一連の行動連鎖として分析したものがミニスクリプト理論です。

(注1)人生脚本とは人生早期に親の影響下に発達し、現在も進行中のプログラムを言い、個人の人生の最も重要な局面で、どう行動すべきか指図するものです。
(注2)エンプティ・チェア(空の椅子)やロール・プレイ(場面設定された役割分担演技)で、過去にさかのぼって、当時の自分や周囲の関係を見つめ直し、肯定的に見方を変えること

人々が対話的な関係の中にいる時はとても幸せですけれども、ある場合にOKでないという方向に動き出すことがあります。まさにこれが、人生脚本の始まりということになるわけですけれども、そのきっかけとなるのは、現在のあるがままの自分を受け入れないで、「もし何々だったら私はOKなのだが」という考え方をするときなのです。

この条件ともいえるもの「もし何々」という過大理想にあたるものとしてカーラーは五つの「かりたてるもの」=(ドライバー)をあげました。
これは、先にも紹介しましたが、対抗禁止令に当たるもので、禁止令が隠されています。

1「完全であれ」
2「もっと努力しろ」
3「他人を喜ばせろ」
4「急げ」
5「強くあれ」
の五つがそれですが、こういう五つのドライバーが動き出すと、人間は現状に不安を感じ、過大の理想状態に向かって駆り立てられるように努力したくなるというのです。

これが、非常に甘い誘惑といいますか、一生懸命やって自分が努力しているわけですから、
何かこう気持ちのいいような、誰かに褒めてもらえそうな感じがするわけです。
しかし、その誘惑に乗って努力するとやがて、禁止令が頭をもたげてくるので、強い挫折感に襲われるわけです。

(1):「もし***ならば私はOK」=五つのドライバー~「駆り立てるもの」

(2):止めるもの(実行不能)→私はOKでない

(3):復讐する→私はOK、相手がOKでない

(4):終末感情→私も相手もOKでない

それぞれ番号に従って推移していきますので説明を少し加えます。

(1):ミニスクリプトの出発点で十分に健康な状態にある人もこのドライバーには非常に弱いところがありまして、これは私達の自我状態の順応した子供の心(AC)の中にあるOKでありたいという感情を刺激します。もう少し私は何かをしなければならないのではないか、という形でドライバーは私たちをせきたて始めます。

(2):人々はドライバーに従って一生懸命に努力しますが、自分の思いどうりに行かないという状況に陥ります。これが「止めるもの」=ストッパーです。
人間である限りこのドライバーを絶対に完全に実行することは不可能でありますので、何処かでつまずいて挫折してしまいます。
その時その人はその挫折を異常に過大に取ってショックを受けることになります。
このからくりがストッパーの働きです。

(3):しかし、大部分の人はこの状態にとどまることを潔しとせず、
(1)に近いポジションに戻ることになるのです。
このポジションは復讐する子供の自我状態で(FC)、自分はOKなのだ!周囲が悪い!相手が悪い!という発想になり、ふんぞり返ることになります。
しかし、このポジションも長く続かずに(2)と(3)を行ったり来たり、自分が悪い、いや、相手が悪いという堂々巡りをすることに成ります。

(4):そして、最終的なミニスクリプトの結末へと落ちていくことになります。
ミニスクリプト・ペイオフとも呼ばれるこのポジションは
「私も相手もOKでない」という全く無気力・無感動でやる気のなくなった
状態になってしまいます。
この展開の原因は、実はドライバー(駆り立てるもの)に対して過大理想を求めて必死に何とか頑張ろうという出発点の姿勢にあったということが出来ます。
出発点の「張り切り」が諸悪の根源であって、その過大な目標意識が「OKでないミニスクリプト」の根源的な原因であると言えます。

そして、この五つの駆り立てるもの(ドライバー)は対抗禁止令(カウンター・インジャンクション)当るものでそれぞれがその裏側に禁止令(インジャンクション)が隠れているのです。
(1):完全であれ→ありのままであるな、リラックスするな、油断するな
(2):もっと努力しろ→成功するな、自由であるな、満足するな、楽しむな
(3):他人を喜ばせろ→重要であるな、自分を後回しにしろ、でしゃばるな
(4):急げ→自由であるな、リラックスするな
(5):強くあれ→感じるな、感情を表現するな

その結果、一生懸命に努力すればするほど、かえってそれが仇となって、対抗禁止令より、先に潜伏している禁止令によってストッパーがかかって実行不可能になるという自己矛盾のカラクリが働き出すのです。

これが、「OKでないミニスクリプト」の「駆り立てるもの=ドライバー」の微妙な関係なのです。

ちょうどこれは人生脚本の「禁止令」と「対抗脚本」の関係に相当し、一見、人生脚本に対抗する命令が実は最後に待っている「禁止令」の相乗的作用をして脚本衝動による「どんでんがえし」→「私も相手もOKでない」という状況になるのです。

再決断法では過去に遡って「禁止令」を捜し出しますが、この五つのドライバーから「禁止令」を推測することも出来るのです。
逆に考えるとミニスクリプトの展開の仕組みに従うと、一瞬一瞬の行動を変えることによって「私もあなたもOK」という生き方に導かれることが可能になります。
その出発点は、「駆り立てるもの=ドライバー」を「許すもの=アローワー」に変える所にあります。つまり、ありのままの自分でいいのだ、何々をしてもいいのだという許可を与える推進力がアローワーなのです。
許すもの、基本的にはありのままの自発性を引き出して、具体的に達成可能な目標(自分の状態)を決めていく態度を取るのです。
もともと達成可能なことを目指して許可しているわけですから、
目標はどんどん達成されることになります。

実行できたら自分で自分にストローク(よくやった!など)を与える。
これが、ゴーワー(進行させるもの)というポジションです。
このポジションにおいて始めの達成可能な目標はドンドン実現して行き、そこで、自分はOKという感じがしてきて、今ここで「非常にうれしい」という感じがしてきます。この状態を自分の肯定的なFC(=自由な子供の心)のポジションに持っていって自分自身のFCを使って心から喜ぶのです。
そこで、活性化されたFCは次の目標のエネルギーを供給してくれますから、この「喜び、感激など」連鎖がゴーワーのポジションに居続けることが出来る根源となります。
ですから、最初は自分へのご褒美として少し豪華と思えるものを自分に与え、大げさと思えるぐらいに喜びを表現するのです。
これが次の目標へのモチベーションの高さと比例するのです。
プロ野球MLBのイチローさんもこの方法を使っています。
そうして、最終的に「私もあなたもOK」という基本的な構えになっていくのです。
従って、同じ努力でもドライバー(駆り立てるもの)ではなくアローワー(許すもの)によって、ゆっくり積み上げてきたOKのミニスクリプトが好循環を呼び込むのです。
ミニスクリプトはそういう行動の動機のちょっとした違いに気づいて、無駄な努力に陥らず、ゆっくり充実した人生を楽しむ為に役立つ理論です。

注:人間の5つの自我状態
父親的CP・母親的NP・合理的な大人A・自由な子供FC・従順な子供AC については
エゴグラム~自己変容を参照してください 。

トッピクスリストへ戻る

フロントページに戻る

 

自分で問題解決出来るようになりましょう!!