本日の心理学・名言15718-9

A
集団極性化
集団による問題解決や意思決定が必ずしもうまくいかないという事例は、
社会心理学の研究において数多く報告されています。
集団で意思決定を行う際、個々人の当初の判断や行動傾向、感情などが、
集団でのさまざまなやりとりを通す中で、
極端な方向に強くなる現象を言います。
これはつまり、集団討議後になされる集団の反応の平均が、
討議前に個々人によってなされた反応の平均よりも、
同一の方向により極端になって現れるということです。
集団極性化には、1人で意思決定を行う時よりも、
集団で行う時の方がリスクの高いものとなるリスキー・シフトと、
反対に、より安全性の高い無難な意思決定になる
コーシャス・シフトの2つがあります。

B
リスキーシフト
社会心理学の用語。直訳すれば「危ない変更」となります
普段は穏健な考え方をし、比較的節度を守って行動することのできる人が、
大勢の集団の中では、その成員が極端な言動を行なっても、
それを特に気に掛けもせずに同調したり、
一緒になってそれを主張したりするようになっていくことをいう。
「集団思考」として知られている現象のひとつで、
客観的には、全く間違いとしか言い用がない様なことが
集団の中での同意が生まれてしまうというものです。
つまり、個人個人であれば犯さないような間違いであっても、
集団の中では、次第にリスクの高い方向に言動が動いていくということです。
まとめれば、個人が個々に質問を受ければそのような非行に走ることはないのですが、
集団が集団として何らかの決定に関しての議論の経過で、
早急に合意を図ろうとした場合に、このようなことが起こりやすいといわれています。

C
コーシャスシフト
簡単に言うと何もしないことを維持する方向へ向かう心理現象です。
このコーシャスシフトの原因は、集団に抜き出たリーダーがおらず、
集団構成員の力がそれぞれ拮抗していることで、
その結果、構成員がそれぞれ他の構成員に遠慮があったり、
自分の失敗が集団内で致命的な責任問題となるため、消極的な姿勢になってしまうのです。