本日の心理学・名言6982-13

A
禅僧で、澤木興道(さわきこうどう)(18801965)という人がいました。

ある時、尊いのは、その人間が真剣になっている時の姿であると。
尊くあろう、とする心こそ尊いのだということを興道は悟ったのです。

大事なことは、今がどうかというよりも、
これから、どうしたいのか、ということであり、
尊いのは、尊くあろうと努力していることです。

美しくあろうとする心こそ、尊く美しいのです。

人が人に魅力を感じるのものは、そうした意欲に対してです。
過去がどうだったか、とか、今はどうかというよりも、
これから尊くあろうとしているかどうかに人は魅力を感じるものです。

B
どの偉人伝を見ても、偉大な人というのは、
多くの苦労を乗り越えて、
それで偉大になっている。
最初から幸せで、幸せな家庭に育ち、お金もあって、
何の苦労もなかったが偉大な仕事をした、と、
そういう人もまあ居るに違いないが、
それでは偉人伝が成立しない。
あくまで苦労を乗り越えないと、話として面白くない。
いや、話ではない。
人間として面白くないのかもしれない。
確かに、苦労を乗り越えてきた、そういう人には味がある。

by
野村総一郎(のむら・そういちろう*精神科医)