本日の心理学・名言1492-8

「受けいれられる言葉」と「受け入れられない言葉」を知る

私たちは、「自信がない」部分を褒められても、
その言葉をなかなか受け入れることはできません。
たとえば、小さいころから「自分は愛されていない」という
感覚を持って育った人は、誰かから「好きだ」と言われても、
「本当なのだろうか?」
「みんなに同じことを言っているのではないか?」と、
愛情を素直に受け入れられないことがあります。

これはポジティブシンキングの結果、予想外で起こる
ネガティブなことに対応できないでいるのと似ています。
つまり、「あらかじめこれで褒められたい」ということを
決めてしまっているから、
予想外のことで褒められたときに反応できなくなっているのです。
もし「ほめ言葉」として受け入れられれば、
自分が考えていなかった新しい魅力を発見できます。

また、スポーツ選手の中には、「すごいね」「うまいね」と褒めても、
あまり響かない人がけっこう多くいます。
一方でこの手のタイプは、「努力しているね」と言えば、
嬉しそうな表情をしたりすることがあります。
この場合は、「結果」よりも「過程」に価値を置いているわけです。
私のカウンセリングではどうするかといえば、
たとえば、ミスをしないようにしている相手に、
「努力しているね」と「本人が認められるほめ言葉」を言ってから、
「ミスをしてても結果を出せるなんてすごいね」と、
本人が認めにくい部分のことにも評価を加えます。
すると相手は「そうかな」と、
気づいていなかった部分に気づくようになるわけです。
もしあなたが上司や先輩として、
部下や後輩の面倒を見る立場だとしたら、
こうした考えはすぐにコニュにケーションに対応できます。
プレゼンが苦手な部下にプレゼンをしてもらい、
その結果に「うまいじゃないか!」と褒めても
「いや、全然そんなことないですよ」と、
ぐに跳ね返られてしまうでしょう。
けれども、「あのプレッシャーによく一時間も耐えたじゃないか」
まずは頑張ったことを褒め、
その部下が「なんとかできました」と反応したら、
「内容もずいぶん考えてあったぞ、うまく伝わったんじゃないか」
結果を評価してあげればいいわけです。
そうすれば、部下も自分のプレゼン能力に手ごたえを感じられます。

自信のないことに対する評価を受け入れられるようになるためには、
まず書き出してみましょう。
たとえば、「仕事」「恋愛」「趣味」などとカテゴリーをあらかじめ分け、
その中で「受けいれられる言葉」と「受け入れられない言葉」
を書き出していくのです。
人から言われる言葉ですから、
すぐに思い浮かばないかもしれないので、
1日の終わりに日記形式で記録してもいいかもしれません。
「受け入れられない言葉」がわかれば、それを言われたときに、
「あまり嬉しい気持ちはしないけど、それでも評価されている」
と客観的な判断ができるようになります。
実はこのトレーニングは、自分がどんなことに自信があって、
どんなことに自信がないかを見極めるためにも重要なのです。

by心のストレッチルーム

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