本日の心理学・名言1479-6

@94歳のいまもクリニックの院長として、
日々患者さんと向き合う駿河敬次郎さん。
日本の医療界において小児外科の分野を切り拓かれた
先駆者・駿河さんが大切にされてきた
人生信条が心に沁みわたります。
* * *
敢えて言うとすれば、どんな苦しいことでも、嫌なことがあっても、
必ずそれは後から考えてみると、役に立ってるんですよ。
だから細かいことは気にしないで、
ニコニコ笑っているのが一番いいですね
お医者というのは、
人を愛し人に愛されることが絶対に必要だと
私はずっと思ってきました。
お金持ちでも貧しい人でも区別なく一所懸命診てあげるには、
やっぱり気持ちが大事です。
人を愛し人に愛される人間になりたいと思う気持ちがあれば、
それが自然と行いに出てくると思うんですよ。
そのためには、やはり置かれた場所で一所懸命やることでしょうね。
私の母がよく言っていました。
与えられた能力は人それぞれだけど、
自分の持ち場で力いっぱい仕事をすることで
美しい花を咲かせなさいと。
私は若い頃には小児外科で花を咲かせようと一所懸命でしたが、
年とともにそれ相応の花を咲かせようと頑張ってきました。
高い山の上に咲く桜はもちろん綺麗ですけど、
誰も気がつかないような谷間に咲く百合の花であっても、
綺麗に花を咲かせればそれでいいんですよ。
宗教改革者マルティン・ルターが
「たとえ世界の終末が明日であっても、
私はリンゴの樹を植える」という言葉を残していますが、
私もいま同じような気持ちです。
もしかしたら明日にでも診療ができなくなる体になるかもしれません。
それでも最後の最後までニコニコしている。
そういう心持ちで仕事をしているほうが明日に希望が持てるし、
毎日を気持ちよく過ごせると思うんですよ。
by駿河敬次郎さんの歩みを綴った連載「生涯現役/人を愛し人に愛される」

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