本日の心理学・名言20530-1

@「人の気持ちを考えなさい」という人は、
「俺の気持ちを考えろ」が本音の人。
子供の頃「相手の立場になって考えなさい」と叱られたことがありませんか?
私にも 覚えがあります。
いたずらをして、先生にゲンコツをもらった後に、
「相手の身になって考えなさい。

自分がされて嫌なことは相手も嫌だと分かるでしょう?」と。
「相手の立場になって考える」ことの重要性は、
親が子供を躾(しつけ)たり先生が子供を教育する時の 必須項目です。
ホスピタリティ産業と言われる飲食業や 官公庁などに従事する人たちが受ける
従業員研修においても、
「お客様の気持ちになって考えて、行動すること」は、基本中の基本。
それが出来なければ 接客業失格と言ってもいいと思います。
それぐらい「相手の立場」や「相手の気持ち」になることは重要なことですが、
「人の気持ちを考えろ」という発言が、
いついかなる時も教育的な発言とは限らないところが、
面白いと言うか、残念なところです。
「自分のことばかり考えているから、ダメなんだ。
ちょっとは人の気持ちも考えなさい!」
営業成績の悪い部下に対し、上司が怒鳴り声を上げることがありますね。
言葉通りにとれば、「顧客の立場になって営業していないじゃないか!」
と怒っているように見えますが、本当い それだけの 意味しかないでしょうか 。
成績の上がらない部下の責任を問われるのは直属の上司です。
心の中には「お前のせいで俺の評価が下がったらどうしてくれるんだ!」
と思っていても不思議ではありません。

鬱憤(うっぷん)を晴らすように怒鳴るなるとしたら。
人の気持ち=「顧客の気持ち」のふりをして、
本音の部分では「俺の気持ちを考えろ!」であることは、間違いないところです。

不思議なことに、こういうタイプの人間はその自覚がないため、
自分は実に まっとうなことをしているつもりでいます。
だから、「なぜお前が俺様の素晴らしい助言を素直に行かないのか!」
と 一人で興奮してしまうのです。
浅はかですね。純朴な人は言葉通りに「相手の気持をもっとよく考えなくては!」
と思うかもしれませんが、多くの人は人間性を見抜き、
「どうせ自分の立場が大事なんだろう?
お前に人の気持ちがどうのこうの言われたくない!」と思ってしまいます。
人のことは分かるけれど、

自分のことはわかりにくいもの。時々は我が身を振り返る必要がありそうです。
*ホスピリラリティ:
心のこもったもてなし。手厚いもてなし。歓待。また、歓待の精神。
*純朴(じゅんぼく):かざりけがなく素直なこと。人情が厚くて素朴なこと。