@愛他心を強める: 感謝は言葉に表してこそ意味を持つ
ここであなたに質問します。
あなたは職場や学校などで「ありがとう」という言葉を1日何回ぐらい口にするでしょうか?
「そんなことをいきなり言われても、いちいち意識なんかしていないからわかりませんよ」と、
あなたは言うかもしれません。
それだったら、今日から態度を改め、
「ありがとう」という言葉をなるべく多く、それも意識的に口に出すように心がけてください。
感謝の念を言葉で表すと、
これまた人の喜びを与える人に喜びを与えることになるからです。
なぜ、そう言えるのか?
その理由をお話しする前に、私が関わったカウンセリング事例を紹介してみたいと思います。
以前、広い庭にプールのある大邸宅に住む大金持ちの家のお嬢さんが相談に見えたことがありました。
A子さんとしておきましょう。
A子さんは名門女子大学を卒業後、お金に不自由することがなかったため、
会社勤めをすることもなく、 毎日贅沢三昧の暮らしを送っていました。
高級車を乗り回し、高級エステに通い、美味しいものを食べ歩き、気が向けばぶらりと海外旅行…
はたからすれば、羨ましいばかりのライフスタイルに見えますが、
本人はさにあらず、毎日がとても憂鬱だというのです。
これには私も一瞬驚きましたが、
どうやら好き放題やりたい放題の生活を送り続けていたため、
逆に 空虚感に襲われ、それが原因で落ち込んでしまったようなのです。
そこで私は彼女に 次のようにアドバイスしました~中略~。
それまでの彼女はいくらお金があっても自分の存在価値を見出すことができませんでした。
周囲の人間は彼女の持っているお金にひれ伏しはするものの、
彼女自身の存在感を認めて尊敬しているわけではなかったのです。
それが空虚感・憂鬱を招き寄せていました。
しかし、ボランティア活動を行うようになってからは、大勢の人から感謝されるようになりました。
今度はお金ではなく彼女の存在を多くの人が認めるようになったのです。
「感謝の念を言葉で表すと、人に大きな喜びを与えることになる」
といった意味がこれでお分かり頂けたと思います。
あなたも今日から「ありがとう」という言葉を連発してください。
電話を取り次いでもらった時やお茶を入れてもらった時など、
取るに足らないことであっても、「ありがとう」を口に出す習慣をつけてください。
それだけでも相手の存在価値を認めたことになり、
ひいては相手の自己重要感を高めることになるのです。
また、 感謝の念を直接言葉に表さずとも、
心の中で自分を取り巻く人たちすべてに”感謝の 念波”を送ってあげましょう。
「自分が出世できたのは上司が引き上げてくれたお陰だ。ありがとうございます」
「部下が頑張ってくれたおかげで、こんなに利益を上げることができた。ありがたい」
「恋人が支えてくれたおかげでスランプ状態から脱することができた。ありがとう」
このように、この人のおかげで今日の自分があるという感謝の念波を送り続けていけば、
それが言葉遣いや態度にも現れるようになり、
相手もまた同じような念波をあなたに送るようになります。
その瞬間お互いの心の距離が近づくのを実感できるようになるのです 。