@A:
積極心を養成する: なりたい自分をイメージする
ホンダの創業者である本田宗一郎さんは、
かつて優れたアイデアと技術を持っていても資金がないという起業家を応援しようという理念から設立された
ベンチャー企業の債務保証会社 ベックの初代審査委員長に就任したことがありました。
そこで 本田さんの仕事は若い起業家たちから話を聞いて融資するかどうかを決定することでしたが
「選考の基準は人間性である」ということを常々強調されていました。
起業家たちからの 提出された企画書を一読しただけでは、成功するか失敗に終わるかがわからない。
会って話をしてみるのが一番だと言うのです。
「では、その人間性とは?」 という問いに対して本田さんはこう答えたといいます。
「第一に自分の目標がきちんと自覚できているか?
第二にその達成に向けていかに前向きに生きているか?
この二点が最も重要である」
目標を持てば、人生に希望が持て、張り合いが生じてくるとともに、
その方向に向かって邁進しようとする意欲が湧いてくるからです。
逆に 目標がないと、人生がだらだらと怠惰に なっていきます。
「その日、その日をつつがなく過ごせればそれでいい」という事なかれ主義に陥り、
挙句の果てには消極的なことしか考えられなくなってしまいます 。
目標を設定する場合、本心から望むもの、それも夢のような大きな願望ではなく、
「五年後には脱サラを果たして自分の事業を始める」
「三年後には 課長に昇進する」
「四十歳までに自分の本を出版する」
「三十歳までに結婚する」といった具合に、
ちょっと頑張れば比較的 実現可能な、
等身大の目標に焦点を定めてみてください 。
等身大の目標に目を向ければ、
多少の困難に見舞われてもそれに 打ち勝とうとする勇気 と自信が湧いてきます。
また、そのことについて、いつも本気になって考えることができます。
そしてこの本気になって考えるという姿勢が積極心の評価に繋がっていくのです。
@B:
雑草は放っておいてもまたたく間に繁茂する。
しかし、美しい花は、水を与え、肥料をやり虫を除け、
丹精込めて育てなければ花開かない。
人間の心もそれと同じである。
放っておくと雑草が生える。
心の花を咲かせるためには、絶えず心を見張り雑草を抜き取らなければならない。
by藤尾秀昭(ふじお・ひであき*致知出版社代表取締役)