@A:
私たちはウソの看板を掲げて、名誉を得ようとする。
だがやがて、その看板は、はぎ取られてしまう。
byモンテーニュ
幸福になるためには、正直に生きることがとても重要です。
しかし、中には、ウソをついてまで名誉を得ようという虚栄心の強い人がいます。
例えば、本当はあまり重要な仕事をしていないのにもかかわらず、
プライベートの友人に「会社から期待されて大きなプロジェクトを任されている」などとウソを言い、
「すごい」と思われようとする人です。
あるいは、あまり英語も話せないのに、
「私はフランス語、スペイン語、英語がペラペラなんです。外国の友人もたくさんいます」 などとウソを言い、
周りの人達に得意顔をしたがる人です。
しかし、ウソで一時的に相手をだますことはできても、ずっとだまし続けることはできません。
「ウソの看板」は、必ずどこかではぎ取られ、本当の事が発覚してしまいます。
そうなれば大恥をかくだけでなく、「あの人はウソつきだ」と軽蔑されてしまうでしょう。
「ウソの看板」など、初めからかけない方が賢明です。
ありのままの自分を理解してもらう方がいいのです。
その方が周りの人たちから愛されますし、信頼もされます。
そこには、いい人間が築かれていくでしょう。
その方が、ずっと幸せになれるのです。
*虚栄心(きょえいしん):自分を実質以上に見せようと、みえを張りたがる心。
@B:
快楽を控えるのが賢者であり、快楽の奴隷になるのは愚者である。
byエピクテトス
人生にはバランスが大切です。
しかし、バランスを失って快楽に傾いてしまい、人生にをダメにする人もいます。
快楽とは性的快楽や飲酒、美食などをさします。
仏教では、朝起きる時間になっても起床せず、
一日中寝てばかりいることも快楽の一種に数えられています。
一生懸命に働くのを避け、怠け心に走るのも快楽の一種なのでしょう。
もちろん、快適に生きることや、適度に 飲酒や美食を楽しんだり、
ゆっくり休むことは、健康的な生活を送る上で重要なことです。
ただし、それは「快適に生きる」ことであり、快楽にふけることとは違います。
快楽にふけるのは、不健康であり、その人自身に害を及ぼすのはもちろん、
周りの人達にも様々な悪影響を与えてしまいます。
つまり、快楽におぼれて、快楽の奴隷にならないようにバランスを保つ心がけが重要です。
それがが賢者の生き方とだと思います。
快楽の奴隷になってしまうと、人生のバランスがくずれ、
仕事がおろそかになったり、家族や友人などとの関係も悪化してきます。
ついには奈落の底に落ちてしまう可能性もあるのです。
快楽におぼれるのはエピク テトス の言う通り愚者の生き方と言えます。
*ふける:一つの物事に熱中する、夢中になる