@A:
苦悩は活動への拍車である。
そして活動の中にのみ我々は我々の生命を感じる。
byカント
日々生活していく中で大きな問題に直面したとします。
そんな時は人は誰でも、
「どうすれば解決できるのか」を一生懸命に考え、また、色々なことを試してみるでしょう 。
そのように、問題を解決しようと一心不乱になって没頭するとき、
人は自分自身の大きな生命力を感じることがあります。
普段よりも一層強いパワーを発揮して、
物事を考え問題解決へと行動していることに気づくのです。
そして、「私は生きている」という自分自身の大きな生命力を感じるのです。
そういう意味で「苦悩は活動への拍車であると言えます。
問題があるから苦悩し、それを乗り越えようと人はより活発に考え行動するのです。
もし、何の問題も送らず人生が済んだとしたら、
その人は、それに甘えて、怠け者になってしまうかもしれません。
人は問題に直面しながら生きていく方がいいとも言えるのです。
悩むことで、より力強く生きていくことができ、それが生きる充実感にもつながっていくからです。
つまり、「悩むことでより力強く生きていくことができる」とポジティブに考える方が、
賢い生き方になります。
*拍車: 乗馬靴のかかとに取り付ける金具。馬の腹に刺激を与えて速度を加減する。
*拍車(はくしゃ)をかける:馬の腹に拍車 を当てて速く走らせる意味から、
物事の進行を一段と早める。
@B:
人生は苦悩を通じてしか清められない。
byプラトン
「どう生きていけばいいのか」
「どのようにして夢を叶えればいいのか」
「成功を手にするには、どうすればいいのか」
人は、このような事に思い悩みます。
それは、決して悪いことではありません。
なぜなら、思い悩むことを通じて、真面目に生きていくことを学ぶからです。
何事にも誠心誠意、努力することが大事だ、ということを学ぶからです。
結局、人は真面目に誠心誠意、努力することによってのみ、
悩みを乗り越えていくことができます。
何かズルいことをしたからといって、乗り越えていけるものではありません。
ズルいことなどしていたら、一層深く悩みに沈み込むことになります。
人は思い悩むことを経験することによって、自然に「真面目な人」「誠実な人」になっていきます。
そのことをプラトンは「人は苦難を通じてしか清められない」という言葉で表現したのです。
ズルいことをしたり、怠けたりしていたのでは、その人の人間性は汚れていくばかりだと思います。