月別アーカイブ: 2015年7月

本日の心理学・名言1460-5

現状維持バイアス2 ~スイッチング・コスト2~

本日の心理学・名言1460-4では、入り口のハードルを下げることで
現状維持バイアスを打ち破って新規顧客を得る戦略について
紹介しました。
しかし、他社がより魅力的な商品を出したりするとその顧客がそちらに流れていってしまうかもしれません。
そうならないように、一度得た顧客の流出を防ぐことも必要な戦略となってきます。
それはスイッチング・コストをうまく活用することによって
可能となります。
最近は各社競って値下げをした結果、非常に割安な料金プランに加入することができます。
しかし、多くの場合「2年契約」など一定期間の契約が条件となっています。そして、契約期間内での中途解約には解約料がかかるシステムとなっています。これがスイッチング・コストとなります。
「他社に乗り換えたいけど、解約料取られるのも惜しいなぁ」という
気持ちを生じさせることで乗り換えを防ぎ、
囲い込みをすることにつながります。
あるいは、物件の賃貸で考えてみましょう。
最近は敷金・礼金0というゼロゼロ物件や、フリーレン(%)ト1ヶ月などの入り口のハードルを下げているものをよく見かけます。
退去時に原状回復費などがかかることを事前に知っていても、
初期費用を安く済ますために飛びついてしまうと
スイッチング・コストが高くなり、
後々に近隣に安くていい物件が見つかっても
動きにくくなってしまいます。
こういうときに人は「新しい物件は今よりも安くて新しいけど、今の家具が合わないし、駅やコンビニからちょっと遠くなるし・・・」と
新しい物件のネガティブな側面を探し、
納得しようとする傾向もあります。
企業がどの程度こういったことを考えているか実際のところは分かりませんが、顧客を得て離さないために人間の心理をうまく突いているといえます。
%フリーレント1ヶ月というのは、2年住んだ場合24ヶ月のうちの1ヶ月分なので約4%程度の値引きとなります。それ以上住めば当然値引率は下がります。「家賃4%値下げ」というよりも「1ヶ月無料」のほうがなんとなく安そうに見える心理を上手く活用し、入り口のハードルを下げる効果を高めているといえます。

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本日の心理学・名言1460-4

現状維持バイアス1 ~スイッチング・コスト1~

スマホ(あるいはネット回線、保険など)のキャリアや
プランを変えたほうが安くなるのはずいぶん
前から分かっているけど変えずにいたり、
「人間関係を広げたいなぁ」「何か習い事でもしたいなぁ」と思いながら実行に移さなかったりということはないでしょうか。
人間には、大きな理由や魅力がないと新しいものにはチャレンジせず、現状を変えることを回避する傾向があります。
これを経済行動学では「現状維持バイアス」と呼んでいます。 現状維持バイアスには、新しいものに乗り換える際の経済的・時間的コスト(スイッチング・コスト)や、
リスクを回避しようとする損失回避性、
自分が使っているものの評価を高く見積もる
保有効果などが関連しています。
ここではスマホのキャリア変更を例にして「スイッチング・コスト」を取り上げます。
スマホのキャリアを変えるためにはショップに行って変更手続きをする必要があります。
新しいスマホの本体代金や変更手数料がかかります。
さらには電話帳やデータの移行、番号・アドレスが変わる場合は友人への連絡などなど非常に手間がかかります。これら経済的・時間的な
コストを考えると、あまり魅力的に感じられず「
まぁ、今のままでもいいか」となってしまうわけです。
そこで各社競ってCMを打ち、乗り換えのメリットを
アピールするのです。
最初のうちは基本料金の引き下げで競っていましたが、
次第にそれも底打ちになり変更手数料無料に。
さらにそれも各社均一になると、
ある会社は自転車やテレビをプレゼントしてみたり、
ある会社は家族割適用の範囲を広げたりという形で
スイッチング・コストを上回る魅力を打ち出そうとし続けるのです。
あるいはある会社は他社への乗り換えをされないように、
他社と同じ製品を契約できるようにして囲い込みをする戦略を取りました。さらにその他社は「つながりやすさ」という指標を前面に出す・・・。次はなんでしょうね。
昔は新聞の勧誘で洗剤を山ほどくれたり、
野球やサッカーの観戦チケットをくれたりしたものですが、
今はどんな手を使ってるんでしょうか。

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本日の心理学・名言1460-3

カラーバス効果

質問です。みなさんは今日、赤い色のものをいくつ見たでしょうか。
自分の持ち物以外で、街角にあったものの中で
思い出してみてください。どのくらい思い出せますか?
多くの場合、「駅前の信号で立ち止まったから1回は見てるはず…。
あの店の看板が赤色で、前を通ったから多分見てると思う…。
あとは、ポストの前を通ったはずだけど、視界には入ってないかも」という感じではないでしょうか。
では、例えば朝のテレビ番組で「今日のあなたのラッキーカラーは赤です」と言われていたらどうでしょうか。
おそらく、赤い看板のお店もポストもはっきりと記憶されており、
「赤いスポーツカーも見たし、そういえばあれも・・・」と、
そのほかの赤いものもたくさん記憶されていることでしょう。
それは、“ラッキーカラーは赤”と言われることで、
赤いものに対する意識が高まり、
その結果として記憶に残りやすくなるためです。

このように、意識しているものほどたくさんの情報が自分のところに舞い込んできやすくなる(注意が向く)ことを「カラーバス効果(color bath effect)」といいます。
bathとは、“浴びる”という意味です。
上の占いの例ではラッキーカラーとして指定されることで、
普段は特別意識しない赤色が浴びるように目に飛び込んでくる、
つまり、意識して注意が向くようになるということですね。
このような効果は、色以外のことにも当てはまります。
例えば、知覚の選択制で、
自動車の教習所に通い始めて標識の勉強をして路上教習に出ると、「道路にはこんなにも標識がたくさんあるのか」と
始めて気づいた経験をした人も多いのではないでしょうか。
運転中はかなり意識的に標識を探すようになりますが、
教習所に通っている時期には、
歩行中にも標識に注意が向きやすくなることもあるでしょう。
それまでの生活の中でも、標識は視界に入っているはずなのに、
全く注意が向いていなかっただけなのです。
また、教習中は標識を意識して見ていますが、
久しく車を運転していないと、
生活の中でほとんど標識には注意が向かなくなり、
自分の家の前の道が一方通行か
どうかすら分からないこともあるでしょう(←私のことです)。
普段の生活で見落としているものというのはけっこう多いようです。
今日のテーマカラーを決めて
1日を過ごしてみるのも面白いかもしれませんね。

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本日の心理学・名言1460-2

アンカリング効果

みなさんは日ごろ買い物をしている中で、
以下のような値段表示を見たことはないでしょうか。

\9,800 → \6,800』

こういう表示を見て、
「安い!」と感じたことは何度もあるのではないかと思います。
このように表示をすると、元々の値段を見せておくことができ現在の値段の安さが際立ちます。
\9,800というのが基準となって、それに比べると\6,800という値段が安く感じて購買意欲が喚起されます。
最初から\6,800である場合(あるいは完全に上書きして元値が見えない場合)と元値が見えるように消して\6,800の場合とでは、
心理的なお得感が異なり、ついつい買ってしまうわけですね。
スーパーなどで”希望小売価格”が表示されているのも、
この効果を狙っている部分があるのでしょう。
このように、最初に何らかの数字が出されることによってそれが判断基準(アンカー※)となって、その後の判断を左右することを
アンカリング効果”と言います。

絶対的評価ではなく、最初の数字を基準とした相対的評価になるということです。
(アンカリング効果は値段設定における数字に限定したものではありませんが、ここでは分かりやすい例として値段を取り上げています。)
このアンカリング効果は、商売・値段交渉においては古くから経験的に知られていたものです。
本来売りたい価格よりも高い価格を最初に提示しておき、そこから値段交渉に応じて下げていくことによって、
本来の価格で買ってもらいやすくするのです。
最初に”ふっかけておく”ことで、
交渉を有利に進めていくことができます。
高級ブランド品店では、店内の最も目立つところに最高級品を展示し、そのほかの商品を相対的に安く感じさせることもあるそうです。
確かに、100万円のバックの隣に30万円の似たようなバックがあれば手が届くように感じてしまいます。
アンカリング効果を利用した交渉術の例
最近の家電量販店では『\118,000 → 値段は店員まで』という
表示を多く見かけます。
値段交渉をすると、だいたい1万円引きの\108,000くらいが提示されるでしょう。
要するに、\118,000がアンカーであり、”ふっかけられている”のです。ただ、\108,000もまだまだ本来の価格ではないかもしれません。
さらに交渉すると、5千円引いて\103,000くらいにはしてもらえるかもしれません。
もっと粘ると「責任者に確認してきます」と
店員さんが一度引っ込みます。
帰ってくると、「ポイントなしで\○○なら・・・」とか「5年保障を10年に延長して\○○で」などと提示をしてきて、
”頑張ってる感”を出して客に折れてもらえるようアプローチをかけてきます。これが店員さん主導の交渉です。
一方、客が主導権を握るためにはどうしたら良いでしょうか。
必ずうまくいく方法ではありませんが、このアンカリング効果を考慮して逆アンカリングをする方法が考えられます。
店員さんに「いくらぐらいになりますか?」と訊いてしまうと上記のように店員さん主導になってしまいますので、
「\78,000くらいですか?」とすっとぼけてあり得ない数字を提示してみるのです。
そうすると、\118,000にアンカーがあったのが、\78,000にアンカーを移してその後の交渉を有利に勧めることができるかもしれませんよ。
(交渉はアンカリングだけでうまくいくものではありません。また、”あり得ない数字”はギリギリ現実感のない数字を提示することが大切です。)
アンカー(anchor)とは船の碇のことです。船は碇を下ろすとそこを”基準”として動く範囲が限定されます。

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本日の心理学・名言1460

@「樹木が、ときには暴風雨にさらされながら、
年輪を重ね大木になっていくように、
そこに人間としての成長も生まれてくる。
万事順調にいっているときより、
困難に直面したときのほうが人は成長することが多い。」
by 江口克彦

@『この人生はどんなにつらくとも生きるに値する。
そのために必要なものは、勇気と想像力とほんの少しのお金だ。』
byチャップリン 氏
どんなに辛い人生でも、生きているだけで幸せである・・・
あなたの人生を充実させるためにお金はそこまで必要ない・・・
勇気・想像力こそが一番大事である・・・・
素晴らしい名言ですね。

@毎日驚きや感動のある人は、疑わない人です。
疑ってかかる人は、うれしいことがあっても、
「これには何か裏がある」と考えます。
そういう人は、素直に驚けないし、感動できないし、喜べないのです。
感動・感激・感謝は、信じることから始まります。
by中谷彰宏(なかたに・あきひろ*作家)

@「感動上手は若さの素、
感謝上手は幸せの素、
感激上手は元氣の素」by 竹田和平

@条件悪い、難しい、それを超えていく時に人生面白くなる。
by安藤忠雄(あんどう・ただお*建築家)

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本日の心理学・名言1459-10

作業興奮

「掃除をしなくちゃならないけど、面倒でゴロゴロしてしまう」
「レポートの締め切りが近づいているのに、どうしてもやる気が出ない」・・・そんな経験、誰しもがお持ちだと思います。
同じように、最初は仕方なく始めたり、面倒だなぁと思いながらも始めてみるとだんだん面白くなってきたり、
気分が乗ってきて気がついたら熱中して取り組んでいた、ということも経験したことはないでしょうか。
このように、作業を始めてみるとだんだん気分が盛り上がってきてやる気が出てくることを、心理学者クレペリンは”作業興奮”と呼びました。なぜ、このようになるかというと、やる気と関連している脳の部位に側坐核というものがあるのですが、
この側坐核というのがちょっとわがままなんです。
側坐核は、人間が「やる気を出さなきゃ」と思っても
なかなか働き出してくれず、
側坐核がやる気発生装置として働くためには、
刺激を与える必要があるのです。
その刺激というのが、”とりあえずやる”ということなのです。
やる気発生装置のスイッチが”行動を起こすこと”というのはちょっとやっかいですよね。
それができないから困るんですよね。
でも、「とりあえず始めてみればやる気が出てくる」ということが分かっていれば、重い腰をあげやすくなるのではないでしょうか。
始めるときには、最初からたくさんやろうとしないことです。
「とりあえず掃除機だけ」とか、
「英単語の暗記だけ」、
「とりあえず10分」のように簡単にできるところから始めて見ましょう。
そうすると、やる気発生装置である側坐核のスイッチが入って、だんだんエンジンがかかってくるかもしれません。
やる気がでないときは、とりあえず簡単なことから始めてみる。・・・簡単なようで難しい?難しいようで簡単?
何にもしないで過ごした日曜日の夕方って自己嫌悪に陥っちゃいますよね~。
反対に、重い腰を上げてちょっとでも課題を進めた場合には、それなりの達成感が得られます。
始める前にそれをイメージするというのも大事ですね。
「面倒だけれど、ちょっとでもやれば達成感が得られるはずだ」と。
そして、予定していたところまで進まなくても、
面倒くささに負けずに頑張った自分を「よくやった!」と
褒めてあげるのも大事ですよ。

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本日の心理学・名言1459-9

極端の回避性 -松竹梅効果-
 商品のランクはよく3段階で示されます。
お寿司屋さんのチラシなんかで、桶が松・竹・梅に分かれているのを見たことがあるかと思います。
このように商品のランクを3つ作っておくと、
一番売れるのは真ん中のランクのものになるといいます。
私が行ったあるフレンチレストランでは、料理のコースが以下の3コースに分かれていました。
Aコース………………………….. 8,400円

Bコース………………………….10,500円

Cコース………………………….15,750円

「・・・、なんでCコースだけ値段が外れてるの?
内容的に5,000円もアップするようなものじゃないじゃん。
8,400円→10,500円ときたら、12,600円じゃないの」と考えていました(言ってはいませんよ)。
結局その場では、「その分ワインにまわそう」ということで
無難にBコースを選択しました。
後日、あるTV番組の中でこのことを取り上げており、
その理由について判明しました。
お店側はわざと一番上のランクだけ値段を高く設定しておいて、
真ん中と対比させていたのです。
不思議なもので、真ん中もそこそこ高いのに、
一番上と比べると安いようにも錯覚してしまいます。
そして、一番下を選ぶのもなんとなく気が引けます。
結局のところ真ん中に落ち着くのです。
いくつかの価格にランク分けされているとき、
両端のもの選ばずに真ん中のものを選ぶという行動を
行動経済学(人間の経済行動を心理学的に分析する経済学)では
極端の回避性」と言います。
安いのを選んで失敗したくない。
でも、一番上はちょっと高い・・・。
まぁ、真ん中が無難かな。
お店側としても一番売りたいのは真ん中。
でも、一番上が売れたらそれはそれでラッキー。
葬儀なんかも同じように3ランクあって、
業者さんはうまく真ん中(より上)を選択させるように<仕向ける>説明することがあるらしいですよ。
「多くの方が、このあたりですかね」とか言って、
世間体をくすぐるようです。
これって、他の国でも通用するんでしょうかねー。
どなたか研究なさってみては?

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本日の心理学・名言1459-8

発達の最近接領域

発達の最近接領域とは、
ロシアの発達心理学者のヴィゴツキーが提唱したものです。
子どもが新しいことにチャレンジする際に、自分一人の力だけでそれを達成できるときと、大人がほんのちょっと手助けをしてあげることで達成することができることがあります。
その2つの水準のズレをヴィゴツキーは発達の最近接領域
呼びました。
ごくごく簡単に言ってしまうと、
その人が持っている成長可能性とでも言えましょうか。
発達の最近接領域の幅、つまり自力でできることと手助けによってできるようになることのズレは個人差があります。
例えば9歳の子どもが二人いたとします。
1人は手助けによって12歳のレベルまで達することができますが、
もう1人は10歳のレベルが限度である、というようなことです。
さて、ここまで子どもを中心に書いてきましたが、これは子どもに限ったことではありません。
一般的に「発達」という言葉は子どもの成長を意味することが多いのですが、心理学の領域では発達を一生涯続くものとして考えています。
この発達の最近接領域も多くは保育・学校教育で活用される理論ですが、年齢に関わらず大人にも適用できる考え方です。
大人であっても色々なことに新しくチャレンジします。
一番大きなチャレンジは、就職(および転職)かと思います。
新人の頃は多少の予備知識はあったとしても、基本的にはド素人であり、現場で色々なことを学んでいきます。
ある程度基本的なことができるようになると(3年目くらいでしょうか)、自分の責任で仕事をさせてもらえるようになるかと思います。
その際の内容や先輩、上司からのサポートというのは非常に重要になってきます。
仕事の内容自体がこれまでと変わらないものだったらなかなか成長することは難しいでしょう。
反対にあまりにも責任が重すぎる難しいものも扱いきれずに途中で止まらざるを得ないでしょう。
適度な難易度の内容と、適度なサポートを得ることで、技術的にも精神的にも成長することができるのだと思います。
反対の立場から言うと、後輩・部下を指導する立場であれば、その人がどのくらいの負荷に耐えられ、どのくらいのサポートをすることによって課題を達成できるか良く考えて仕事を振ることが重要です。
そのようにして課題を達成できた場合、自分に自信を持つことができ、仕事へのモチベーションも高まり、さらなる成長の足がかりとなります。
言われてみれば単純なことだと思います。
でも、それを意識してやっている人あるいはできている人は少ないと思います。
人を育てるのが上手い管理職の人は、こういったことを意識して、あるいは自然にやっているのだと思います。
部下からすると、自分のことを信頼して責任ある仕事を任せてもらい、口は挟まないけど必要なサポートをしてくれて、
自分の成長可能性を引き出してくれる上司なんて、・・・めったにいないだろうけど、いたら仕事が楽しくてしょうがないでしょうね。

ちなみに、これはカウンセリングにおいても当てはまります。
カウンセラーがクライエントさんに対して言いたいことがあるのだけれど、今それを言ってもクライエントさんが消化しきれないなということがあります。
その際には、あえて今それを言わず、時期が来るのを待って伝えるようにすることがあります。
自分のことで手一杯にならない、
余裕のある大人でありたいものですね。

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本日の心理学・名言1459-7

マズローの欲求階層説(欲求階層理論)

人間にはいろいろな欲求があります。
食欲・性欲など生存に関するものから、
大金持ちになりたい、賞賛を得たい、一つの道を極めたいなどなど。
人間(に限らず動物全般)は、
そのような欲求に基づいて行動をしていると言えます。
アメリカの心理学者・アブラハム・マズロー(Abraham Harold Maslow)は、人間の欲求を低次から高次の順で分類し、
5段階のピラミッド型の欲求の階層によって示しました。
マズローによって階層化された欲求とは、
生理的欲求・安全欲求・愛情欲求・尊敬欲求・自己実現欲求の
5つです。1つ1つ詳しく見ていきましょう。
1.生理的欲求
人間が生きていくために最低限必要な、
生理現象を満たすための欲求です。
食物、排泄、睡眠など、個体として生命を維持するために
必要な基本的な欲求です。
2.安全欲求(安定性欲求)
誰にも脅かされることなく、
安全に安心して生活をしていきたいという欲求です。
雨・風をしのぐための住居を欲するというものから、
戦争などの争いごとのない環境で過ごしたいという欲求まで
含まれます。
食べるものに不自由しなくなると、
次は安心して食事や睡眠を取れる場所が欲しくなるということです。
3.愛情欲求(所属欲求・社会的欲求)
集団に属したり、仲間から愛情を得たいという欲求です。
寝食が満たされると、誰かにかまってほしくなるのですね。
4.尊敬欲求(承認欲求)
他者から、独立した個人として認められ、
尊敬されたいという欲求です。
今度は、かまってもらうだけでなく、
自立した個人として尊重されたくなるわけです。
5.自己実現欲求
自分自身の持っている能力・可能性を最大限に引き出し、
創造的活動をしたい、目標を達成したい、自己成長したいという
欲求です。
社会的に成功を収めた人が、
社会貢献活動をするのはここに入るかもしれません
(一部あるいは多くの人の場合、尊敬欲求として動いているでしょうが・・・)。
つまり、人間の欲求は最下層の生理的欲求が満たされてはじめて
次の.安全欲求(安定性欲求)が生まれてくる~~
自己実現欲求を頂点としたピラミッド構造を指し示しているのです。

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本日の心理学・名言1459-6

コントロールの錯覚(コントロールの幻想)

みなさんは宝くじって買いますか?
最近は種類がたくさん出ていますね。
年末・サマージャンボなどが一番有名ですが、
スクラッチ系のものや数字選択式のナンバーズ・ロト、totoなんてものもありますね。
今回は、「コントロールの錯覚」というものを
宝くじで説明したいと思います。
生活の中で自分の力で事象をコントロールできないことは
数多くあります。
例えば、日々の天気なんてのはコントロールしようがないですよね。
同じように、宝くじが当たるか当たらないかは自分の力ではコントロールできません。
しかし、実際には結果が”完全に偶然に左右される事象”であっても、
自分の能力によって結果を左右させることができると
思ってしまうことがあります。
それをコントロールの錯覚あるいはコントロールの幻想と言います。
年末ジャンボなどを買う時に、
連番で買うほかに”バラ”で買うこともできます。
この場合、連番で買うよりもバラで買ったほうが”
自分で選んだ”という感じがあり、
何となく当たりそうな気持ちになりませんか?
さらに、ナンバーズやロトなどの数字選択式は
自分で数字を選択するので、よりその気持ちが強くなります。
ランガーという人がこの点について実験を行ったところ、
販売員に直接宝くじを手渡されるよりも、
自分で選んだほうが、その宝くじを他人に譲る際に
高い値段をつけたそうです。
つまり、「自分で選んだ宝くじは当たる確率が高いから、
手放すのは惜しい」という気持ちになったわけです。
人間、どうも自分の都合のいいように物事を考えがちのようです。
当たる当たると思ってなかなか当たらない宝くじ。
でも、買わないことには当たらないんですよねー。

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本日の心理学・名言1459-5

火の心理的効果

 人類がここまでの文明を発展させたのは、火を扱えるようになったからだとも言われています。
火を使うことにより、
暗闇での明かり、冬の間のぬくもりを手に入れ、獣から身を守ったり、煮る・焼くといった火を通す調理方法を身につけました。
現代では当たり前のように使用しているので、なかなかそのありがたみを感じることは出来ませんが、人々の生活にとってなくてはならないものであることには変わりありません。
さて、私事ですが、私は火を見るのが好きです。
と言うと、ちょっと怪しい感じもしますが、ローソクのように小さい火から焚き火やキャンプファイヤーのような大きい火(炎)まで好きです。
特に、キャンプファイヤーというのは非日常感もあいまって興奮する反面、じっと火を見つめていると心が穏やかになり、何とも言えない気分になります。
小学生の頃に合宿や林間学校などでそういった機会が何度かあり、火には不思議な力があるなぁと漠然と思っていました。
さらに、テレビか何かで、とある国のサッカーチームでは試合前にロッカールームの電気を消し、1本のロウソクに火をつけ、それを囲んでミーティングを行うことにより、集中力と一体感を高めるというようなことをやっていました
。心理学を勉強している中で、それをふと思い出したので、そういった研究がないものかと思い、少し探してみました。

■大阪ガス(株)エネルギー技術研究所が
「暖炉の火」の効用を始めて検証
実験の概要としては、初対面の二人が暖炉あり条件・なし条件で会話した場合に、暖炉がどのような影響をもたらすかというものです。
その結果、暖炉の火がコミュニケーションの促進効果があることが確認されたとのことです。
具体的には、暖炉の火により、リラックスできる、癒される、会話の相手が自分に似ていると感じる、2人の距離が縮まる、会話中に暖炉を見る回数が多いなどといった効果があったとのことです。
論文を読んでいないので火の持つリラックス効果に対してどのような考察がなされているか分かりませんが、どうやらやはり火を見ることによって人は心が落ち着くようです。
そして、その場にいる人との一体感を強めるという効果もありそうです。上記実験から得られた結果の中で、一番興味を引いたのは「会話中に暖炉を見る回数が多い」という点です。
暖炉という視線を外せるものがあると無理なくコミュニケーションを取ることができます。
実験風景でも分かるとおり、暖炉があることでお互い真正面に向き合うのではなく、自然と視線がぶつからない形に座ることができるのかもしれません。
これはカウンセラーが正面に座らないことや、カウンセリングルームに視線を外しやすいように小物を配置しているのと同じですね。
小さい頃に感じていた私の感覚は間違いではなかったようです。
一つの研究しか見ていないので、どうしてそういった影響が火によって与えられるのかまでは分かりませんが、
火は生活を営む上だけでなく精神的にも人間に必要なものと言えるのではないでしょうか。
たまには電気を消して、火の持つ不思議な力を感じてみるものいいかも知れませんね(くれぐれも火の取り扱いにはご注意を!)。
今回、ネットで検索をして見つけた研究を取り上げましたが、
同じ火と言ってもローソク・暖炉・焚き火・キャンプファイヤーなどそれぞれによって火が与える影響は異なるかもしれませんね。
また、あえて複数の論文からの結論ではなく、私個人の興味を中心に書いてみました。
恐らく実証的な実験研究は少ないかもしれませんが、色々な視点から(心理学以外の分野においても)火の持つ効果を研究・考察している論文などがあると思います。
火は様々な儀式や祭事に欠かせないものと言えるため、
今回見たリラックス効果とは
反対の効果も持っているかもしれません。

暖炉はあまり日本になじみがないのですが、その代わりに囲炉裏があったので、日本人にはそちらの方が落ち着くかもしれません。
そういったことも含め、全てを取り上げることはできないので、このトピックスはあえて問題提起的にしてみました。
火の持つ心理的な効用い興味をもたれた方は、ご自身で調べてみてくださいね。

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本日の心理学・名言1459-4

私○○さんと知り合いなんだ

さて、あなたの友人にことあるごとに、
「友達のお姉さんがモデルやってて、こないだテレビに出てたんだぁ」とか、
「親戚のおじさんが社長でねー」とか、
「友達が全国大会でベスト8に入ったんだ」などと
自慢げに話す人はいないでしょうか。
そんなどうでもいい話を聞いたあなたはきっと、
「へぇ~、そうなんだぁ」としか言いようがないんじゃないでしょうか。
心の中では”で、それがどうしたの?”と思いつつ・・・。
このように、聞くほうとしてはどうでもいい他人の自慢をすることを
栄光浴」と言います。

社会的に高い評価を受けている人や集団と
自分がなんらかの結びつきがあることを示して、
自己評価や他者からの印象を高くしようという
意図があると言われています。
つまり、他人の栄光のシャワーの”おこぼれ”を浴びて、
自分自身が気持ちよくなるってことですね。
実際には、本人が努力して手に入れた栄光ではないので、
まったく無関係なのですが、
「○○さん(有名人)と知り合いなんだ」と言いたくなるのは、
「○○さんの知り合いになれるあなたってすごいのね」と
思われたい気持ちがあるからなのです。
場合によっては、「それってまったくの他人じゃない?」と
言いたくなるほど遠い人のことを言う人が言いますが、
「だから何なの」と言ってしまっては可哀想なので
言わないであげてくださいね。
そういうときには、「へぇ~、そうなんだぁ。すごいね~」と
”そんなすごい人と知り合いの知り合いだなんて、あなたはとても素晴らしいのね”という賞賛の気持ちをたっぷり込めて、
すこしだけ話に付き合ってあげるのが、余裕のある大人の対応と言えるでしょう。
あえて相手のペースに入ってあげて、
その人の自己評価を高めてあげるのもやさしさですね。

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本日の心理学・名言1459-3

自己開示の返報性

人間関係には、家族や友人、知人、仕事上の関係、師弟関係など様々なものがあります。
その中で、家族以外の他人と関係を築くためには、
基本的には0からコミュニケーションを取っていかなくてはなりません。会ったその日に趣味の話で盛り上がって意気投合するといったこともありますが、一般的には関係を構築していくためにはある程度の時間がかかります。
通常、初対面のときには仕事の話や共通の知人の話など差しさわりのない話をしながら、相手に関する情報を集め、何度か会う中で関係が深まっていくにつれて徐々にプライベートな話をするようになっていくことでしょう。
当たり前といっては当たり前のことですが、そこには”自己開示の返報性”というものが働いています。
自己開示とは、自分についての個人的な情報を率直にありのまま相手に伝えることを言います
(嘘偽りなくというところがポイントで、相手に特定の印象を持たせようという意図が含まれているものは”自己呈示”と呼ばれます)。
この自己開示には、自己開示をされた受け手も同程度の自己開示をするという、返報性のルールがあることが知られています。
つまり、こちらが趣味の話をしたら相手も趣味の話、より個人的な家庭の話をしたら相手も家庭の話をするといった具合で、同程度の深い話をするようになるということです。
「相手がそこまで話してくれたんだから、自分も話そう」という気持ちが生じるのですね。
そうやって、お互いに少しずつプライベートな話をしていくことで、関係が深まっていくのです。
まぁ、当然とも言えることなのですが、これを知っていることによって、関係を深化させたい相手に対して自分から少しずつ自己開示をしていくことによって、相手のことを知ることができ、関係も発展させていくことができるでしょう。
さて、ここで忘れてはならないことがあります。
それは、関係の進展に伴った自己開示が必要だと言うことです。
ほとんど初対面なのに、かなり個人的な自己開示をしてしまう人は、嫌われる傾向にあります。
会って間もないのに、プライベートな話などをしても、受け手は準備ができていないので「なんて非常識な人なんだろう」と思われてしまうのがオチです。
そのような場合には、当然”自己開示の返報性”は期待できるはずもありません。
相手との関係性に合った内容の自己開示、関係を”一歩”前進させるための自己開示でなければ意味がありません。
しかし、冒頭にも挙げたように、初対面で意気投合するような場合や、聴き上手な人であるため、数回しか会っていないのに何でも悩みを話し合える関係になることもあります。
また、逆にかなりの年月会っているが、プライベートな話ができる関係ではないということもあります。
そのあたりの相性といった部分も、人間関係の面白いところですね。
自己開示についてちょっとだけ補足をしておくと、
女性の方が男性よりも自己開示する傾向が認められています。
特に、この傾向は同性同士でより顕著になるそうです。
女性同士はお互いのプライベートな情報を共有することで友情を作り上げていくのに対し、
男性はお互いのプライベートには立ち入らず、活動を共有することで友情を作っていく傾向があると言われています。

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本日の心理学・名言1459-2

原因帰属

日常生活の中で、他者が取った行動の理由を
考えることはよくあることだと思います。
特に、いつもと様子が違うときには、
何でそのような言動をとったのだろうかと不思議に思うことでしょう。
このように、人間の行動の原因を推測する心理的過程を「帰属(作用)」と言い、社会心理学領域を中心に多くの研究がなされています。
帰属には、その理由付けの方向性によって2種類あります。
1つは内的帰属と呼ばれるもので、その言動を取った本人の性格などといった内部にあるものに理由を求めます。
もう1つは外的帰属と呼ばれるもので、状況や運などその人の外部にあるものに理由を求めます。
この2種類の帰属のされ方には、状況によって大きな傾向があります。それは、帰属の誤り」と呼ばれており、必ずしも正しくないが多くの人が誤って帰属しやすいとして、状況によっていくつかのものが示されています。
まず最初は、「基本的な帰属の誤り」というものです。
これは、他者の言動の理由を推測する場合に、
それが明らかに外的な影響を受けての言動であるにも関わらず、行為者の性格や態度などの内的なものに帰属させやすいという
一般的傾向のことを言います。
あまりいい例えではありませんが、
例えば上司の命令に逆らえずに違法な行為を行ったといった
外的な要因が明らかな場合でも、
その行為者本人が元々そういう性格であったと
推測をしてしまうことです。
次に、「行為者-観察者バイアス」というものがあります。
これは、他人の言動はその人の内的な要因に
帰属させやすいのに対し、
自分の言動は外的な要因に帰属させやすい傾向のことを言います。
例えば、他人が花瓶にぶつかって落として割ってしまったのを見ると、その人の不注意ゆえのことだと考えるが、
自分が同じことをした場合には、
テーブルの端に花瓶があったためだと考えるようなことを言います。
また、成功や失敗に関するものとしては「セルフ・サービングバイアス」というものがあります。
これは、成功に関しては自分の能力などに帰属し、
失敗に関しては環境などに帰属する傾向を言います。
例を挙げるまでもありませんが、
テストの結果が良いときは努力の結果だと考え、
悪かった場合には問題が難しかったなどと考えることです。
他にも、偶然に左右される事象を自分の能力や意思で何とかできると考える「コントロール幻想」や、事故や災害の被害者に対して、その原因を過度に被害者の責任に帰属する「過度の責任帰属」とったものがあります。
前者はくじ引きは自分で選んだ方が当たると考えることで、
後者は痴漢の被害者に対して「そんな短いスカートをはいていたら被害にあってもしょうがない」などと考えてしまうことです。
いろいろな帰属の誤りを例を挙げて紹介しましたが、
きっと身に覚えのあるものもあったことと思います。
まぁ、他の人に迷惑をかけないような小さいものであれば
良くあることなのでいいとは思いますが、
誤った原因帰属がもとで人間関係が
崩れてしまうこともありえますので、
十分注意が必要ではないでしょうか。
高度情報化社会と呼ばれている現代ですが、
情報が断片化していることもありますし、
その信憑性も疑わしいこともよくありますので、
それらの情報から原因帰属をしてしまうと
場合によってはとても危険なことになってしまうかもしれませんね。

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本日の心理学・名言1459

@メディアやファンの方によく、
59歳の現在の私と「ローマの休日」の私を比べられて困っちゃうの。
私は絶えず、明日に向かって現在を生きているのにね。
byオードリー・ヘップバーン(女優)

@「年を重ねると大切になるのは、今を精一杯生きること。
過去に留まらないで、未来のことを考え過ぎないで。
まだ起きてもいないのに。ただ今を生きるのよ。」
by オリヴィア・ハッセー

@どうしても咲けない時もあります。
雨風が強い時、日照り続きで咲けない日。
そんな時には、無理に咲かなくてもいい。
その代わりに、根を下へ下へと降ろして、根を張るのです。
次に咲く花が、より大きく、美しいものとなるために。
by渡辺和子(わたなべ・かずこ*ノートルダム清心学園理事長)

@『大きな問題や悩みを抱えている人は、次のように考えてみてください。「今、私は、目に見えないところで、根を深く張りつつあるんだ」と。』by 野口嘉則

@物事が順調にいっている時は、安易感が生じて、
とかく改善を怠りがちになる。
しかし、困難にぶつかると、心がひきしまり、
真剣に改善に取り組むようになる。
改善、改革ができ、成功の基礎が築かれるとするならば、
困難こそ好機だといえよう。
by松下幸之助(まつした・こうのすけ*松下電器創業者)

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本日の心理学・名言1458-12

なぜブログが広がったのか
2004年から2005年にかけて、
Weblog(ブログ)という新しいインターネット上の情報発信形態が
注目を集め、ホームページを持っていない人でも
気軽に無料で始められることから
多くの人が様々な情報を発信するようになりました。
今回はなぜここまでブログが注目を集めるようになったのかを
考えてみたいと思います。
さて、今回のテーマを考える上で、
有用な先行研究がありました。
川浦・山下・川上(1999)は、ウェブ日記を書いている人を対象に、
なぜウェブ日記を書き続けるのかを研究しました。
それによると、ウェブ日記を始めた理由として、
自分を知ってほしいという「自己表現動機」、
アクセス数をアップするためという「手段的動機」、
他の人の日記を見て自分も書きたくなったという「同調的動機」という
大きく3つの因子が見いだされています。
そして、日記を継続して書き続ける要因として、
日記を書くことによって自分自身の理解が促進し、
緊張や不満感情の解放につながるという側面の
「自己に向かう効用」と
他者との相互作用を通じて自分だけでなく他者についても
理解が深まるという側面の「関係に向かう効用」が挙げられ、
「自己に向かう効用」は日記の継続に直接影響し、
「関係に向かう効用」は日記によって他者から
よく理解されているかという「被理解満足」を高め、
「被理解満足」の高さが継続を促進するという結果が出ました。
また、読者からのポジティブなフィードバックは
直接的に日記の継続に影響するのではなく、
「自己に向かう効用」「関係に向かう効用」「被理解満足」を通して、
間接的に継続を促すものであることが示唆されました。

後半のあたり、ちょっと難しいでしょうか。
日記を書くことで気持ちの整理や発散になること(自己に向かう要因)が日記を継続する要因となっており、
他者からのポジティブなフィードバックが気持ちの整理や発散に役立っているようです。
また、ポジティブなフィードバックをもらって他者と相互交流すること(関係に向かう効用)で、
自分のことを理解されていることが分かり(被理解満足)、
それが継続要因となっているようです。

この研究は、ホームページを運営している人がコンテンツの一部として日記を公開している場合のものですが、
ブログに関してもある程度適用できるのではないでしょうか。
日記というものは本来、他の人は見ないものだったので
出来事の記録やそのときの心情を
書き連ねるものだったと思いますが、
これほどブログが普及して日記を公開している人がいるということは、潜在的に日記を見て”自分のことを知ってもらいたい”という願望が
多くの人にあったのではないでしょうか。
もちろん、ブログはプライベートな日記だけのためでなく、
簡易ホームページとしての利用をしている人も多くいますが、
それもある意味では自己表現の場となっており、
双方向のコミュニケーションを求めている場合が多く、
広い意味で自分のことを知ってもらいたいという
願望があるのだと思います。
まぁ、私もブログを使って日記を書いているのですが、
私自身のことを言えば日記を公開している理由はもっと複雑です。
始めはサイトを立ち上げるに当たって
色々なサイトを見て勉強したところ、
日記を公開している人が多く、
また顔と名前は出さないので
来訪者に少しでも管理人を身近に感じていただければと思ったので、日記を書き始めました。
最初はサイトから日記へと流れる人だけでしたが、
次第に日記を先に知って
そこからサイトを見てくれる人がいることを知り、
アクセスアップの効果も狙っての更新となっています。
さらに、読者の方からコメントをいただけることも
更新の理由となっており、
また、そんなに頻繁には会わない友人への
近況報告の意味もあります。
途中から個人的な意見が多くなりましたが、
自分のことを分かってほしいという欲求と、
難しい知識不要で始められるというお手軽さ
(もちろん、その裏にはインターネットの普及があります)が
うけての広がりと言えるのかもしれませんね。

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本日の心理学・名言1458-11

順応
.本日の心理学・名言1457-5感覚順応において取り上げた、
順応についてさらに詳しく見て見たいと思います。
順応とは、同一刺激が継続して与えられることによって
刺激への感度が変化することを言います。
例えば、最初はとても辛く感じたカレーが食べているうちに
辛さが弱くなったように感じたりすることがあります。
いわゆる”慣れ”というものです。
この順応という働きは人間がいろいろな状況に
適応していくために重要なものなのですが、
少々気をつけなくてはなりません。
例えば、香水をつけている人は毎日同じにおいを嗅いでいるので、
気づかないうちに多くつけていて
周囲の人にしてみると香水がきつくなってしまうとか、
味の濃いものばかりを食べているうちに薄味のものに満足できず、
余計に濃い味志向が強まり生活習慣病になってしまうとか、
大きな音量で音楽を聴いているうちに
小さい音では聞こえなくなってしまい、
電車で音漏れするほどの音量でないと
聞こえなくなってしまうとかいうことも考えられます。
ここからは余談になりますが、
味覚はその種類によって順応にかかる時間が変わります。
塩辛さ、甘さ、苦さ、すっぱさの順で順応にかかる時間が長くなります。苦さやすっぱさというのは「危険信号(毒があったり腐っていたり)」で
あるため順応に時間がかかると考えられています。
いやぁ、まったく人間のカラダってものは良くできていますねぇ。

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本日の心理学・名言1458-10

ミラーリング

人間誰しも他人に好かれたいと思うことはありますよね。
人に嫌われて生きていくよりも、
好かれて生きていくほうがいいですよね。
人間関係のなかで好かれたいと思う場面や、
そこまでいかなくてもいい関係を作りたいと思う場面はよくあります。
恋愛関係、始まったばかりの人間関係、
改善したい人間関係などさまざまでしょう。
では、そのときに使える(かもしれない)心理学的テクニックを
紹介したいと思います。
さて、それはいったいどんな方法なのでしょうか。
いたって簡単です。
会話をしている相手のしぐさを鏡のようにまねてみてください。
相手がコップを持って水を飲んだら、
自分も水を飲み、顔をかいたら顔をかき、
髪を触ったら髪を触りましょう。
ここでのポイントはあくまでも”さりげなく”です。
あからさまなマネだと「なんだオマエ?」
なんてことになってしまいますからね。
このように相手のしぐさを鏡のように返すことを
ミラーリング(ちゃんとした心理学用語ではありません)といい、
これを意識することで「私はあなたに好意がありますよ」という
無意識のメッセージを送ることができます。
これを相手が無意識に受け取ることでいい関係を築くことができます。

さらにこのミラーリングを使うことで相手が自分に好意を
持っているかも分かると思います。
相手のマネをするのではなく、
自分がリードして水を飲んだり、顔を触ったりしてみましょう。
そこで相手が自分と同じ動きをしたら・・・、ってことです。
特に食事の場というのは心理的な距離が縮まる場でもありますので、上手く活用してみてください。

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本日の心理学・名言1458-9

EQ(こころの知能指数)

みなさんの周りに、頭はいいけど
人付き合いが苦手と言うような人はいませんか?
問題解決能力には優れているのに、
なぜか人間関係では上手く立ち回れない人って
けっこう多いのではないかと思います。
なぜ人間関係において頭の良さが発揮されないのでしょうか。
この疑問の答えとして、D.ゴールマンはEQ:Emotional intelligence Quotient(感情知性;こころの知能指数)というものを考えました。IQ:Intelligence Quotientというのは聞いたことはありますよね。
IQ(知能指数)が高いと頭が良い、と一般的には考えられています。
しかし、それはテストで高い点数が取れるというだけで、
すべてのことが上手くできるというわけではありません。
では、EQとはどのようなものなのでしょうか。
EQとは自分の感情を適切にコントロールし、
自分の持っている能力を最大限に発揮するための
社会的知性のことです。
EQは、心内知性(セルフコンセプト)、
対人関係知性(ソーシャルスキル)、
状況判断知性(モニタリング能力)という3つの要素の
バランスによって決まります。
EQの高い人は自分の感情の動きに敏感で、
人の気持ちを察することが上手であるため、
相手へのよりよい対処法を考えることができます。
そのため人間関係で衝突を起こしたり、
すれ違いを起こしたりすることなく上手く立ち回ることができます。
最近では、人事採用にEQテストを用いる企業も増えてきました。
これからは学力よりも、創造性豊かで人間知にあふれる人が
求められるようになってくると思います。

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本日の心理学・名言1458-8

リフレーミング

さてあなたはボトルに半分飲み物が残っているときに、
「もう半分しかない」と思いますか?
「まだ半分もある」と思いますか?
人によって見方は異なると思います。
これを心理学で生かしたものがリフレーミングというものです。
同じ物事でも、人によって見方・感じ方が異なります。
それは、ボトルのような例だけではなく、
性格などについてもあてはまります。
たとえば、何をするにも時間がかかって、
特に決断するというのが苦手で優柔不断だと言われて
悩んでいる人がいるとします。
確かに、それも一つの見方だと思います。
では、見方を変えてみましょう。
何をするにも時間がかかってしまうと言うのは
あせらずじっくりと物事を進める性格だとも言えませんか?
すぐに決断しないというのは、慎重な性格だとも言えませんか?
多少強引かもしれませんが、
短所だと思っていることも見方を変えれば
長所にすることができるのです。
このようにある「枠組み(フレーム)」で捉えられている物事を枠組みをはずして、違う枠組みで見ることをリフレーミングと言います。
自分や身近な人を悪い方向からばかり見つめてはいませんか?
柔軟な発想でリフレーミングをすることで、
自分や他人とのコミュニケーションのしかたも
変わってくるかもしれませんよ。

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本日の心理学・名言1458-7

タイプA・B・Cの行動パターン

1950年代にアメリカのフリードマンとローゼンマンは虚血性心疾患の患者には、ある共通した特徴の行動パターンをとることを発見し、それをタイプA行動パターンとしました。
では、タイプA行動パターンとはいったいどのような特徴を持つ行動パターンなのでしょうか。
タイプAの特徴として、性格面では競争的、野心的、精力的、行動面では機敏、せっかち、多くの仕事に巻き込まれている、身体面では高血圧、高脂血症といったものがあります。
タイプAの人は、自らストレスの多い生活を選び、ストレスに対しての自覚があまりないままに生活する傾向があります。
血圧が上がる、脈拍が増えるなどのストレスに対しての反応によって循環器系に負担がかかり、虚血性心疾患の発症に関係してくると考えられています。

一方、タイプBはというと、タイプAとは反対の性格傾向を持つ人のことを言います。
あくせくせずにマイペースに行動し、リラックスしており、非攻撃的などの性格傾向を持つ人のことです。
タイプAの人はタイプBの人よりも2倍も心臓疾患になりやすいことが報告されています。
日本には、仕事熱心、仕事中毒、仕事命の人が多くいます。そのような人の中には、このタイプAの人が多くいると考えられます。
タイプAの行動パターンは現代社会で成功するための1つの条件であることもありますが、
一時期急増した”過労死”になってしまったら元も子もないですよね。

そのほかにもタイプCという性格傾向があります。
タイプAは心筋梗塞など心臓病になりやすい行動パターンなのですが、タイプCはガンになりやすい行動パターンであると報告されています。 では、タイプCとはどのような行動パターンなのでしょうか。
タイプCの特徴として、「いい子」で自己犠牲的、まじめで几帳面、協力的で譲歩的、我慢強い、権威に対して従順、否定手粋な感情(特に怒り)を表現しないことなどがあげられます。
タイプAにしてもタイプCにしても、どうして性格が病気と関係してくるのでしょうか。
それは、ストレスの感じ方やその対処の仕方が異なるためです。
ストレスは自律神経やホルモン分泌に影響し、
抑うつや絶望感などが免疫力を低下させると言われています。
そのため、ストレスを強く感じたり、
ストレスに対する反応が上手く行かないと
病気になるリスクを負いやすいのです。
受験や仕事で風邪などを引いてるヒマなんかないときに、
体調を崩してしまうのは、
ストレスが一因としてあるのでしょうね。

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本日の心理学・名言1458-6

言語相対性仮説

さて、突然ですが虹って何色ですか?
このような問いを出されたら、普通の人は「7色」と答えますよね。
7色というのは「赤・橙・黄・緑・青・藍・紫」ですね。
でも、これってどの国でも共通なんでしょうか。
アメリカで質問すると、答えは「6色」になってしまいます。
虹は物理的現象ですから、
見る場所によって色が異なるということはありません。
では、なぜアメリカでは6色なのでしょうか?
それは、英語には青と紫の間の色である
「藍」をさす単語がないからです。
ですからアメリカでは虹の色は「赤・橙・黄・緑・青・紫」の6色になります(民衆的レベルでは6色ですが、物理科学的な分野の本や百科事典などは7色になっているようです)。
このほか、ドイツは5色、フランスは日本と同じく7色、さらには3色や2色とする国など様々です。(インターネットで調べたところ、7色以上のところはないように思われます[定かではありません]。)
このように、同じものを見たり聞いたりしても、
そのものに対する認知(認識や思考)は、
使用する言語によって大きく影響されるという説を、言語相対性仮説と言います。
この説はあくまで仮説ですが、
上記の例から「色」というものは、
言語によって制約を受けるということが分かります。

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本日の心理学・名言1458-5

マスキングの効果

カフェやレストランで友人とおしゃべりするとき、
意外と周囲は騒然としていませんか?
よく”注意してみると”、それぞれのテーブルで交わされている会話、BGMとして流されている音楽、客と従業員のやり取り、
食器の音や外の車の音などさまざまな雑音に
囲まれていることがわかります。
このような環境の中で、どうしてゆっくりと会話ができるのでしょう。
”よく注意して見ると”周囲がうるさいことに気がつくということは、
注意しないと気づかないということです。
つまり、話し込んでいるときには、
そちらに注意がいっているため周囲の騒がしさに気づかないのです。
このように、ある感覚(ここでは自分たちの会話)が
別の感覚(周囲の音)をかき消す(マスクする)ことをマスキングといいます。
この効果によって、自分たちの会話が他の音を覆ってしまい、
会話を楽しむことができるのです。
ただし、このマスキングは一般にマスクする音が大きいほど
その効果が強くなるので、
工事現場の近くで会話しようとしてもちっとも相手の声が聞こえません。
(逆マスキングされてしまいます)
このマスキングは聴覚に限ったものではなく、
味覚・臭覚・視覚などにおいても起こります。
嫌なにおいを別の強いにおいでかき消したり、
嫌いな味を調味料をたくさん入れて他の味に変えたりと
いったことが例にあげられるでしょう。

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本日の心理学・名言1458-4

眠りのサイクル

人間の睡眠中には、
浅い眠りのレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠とがあります。
最近では、さまざまなメディアで取り上げられているので、
みなさん一度は聞いたことがあると思います。
レム(REM)とはRapid Eye Movement の略で、
レム睡眠時にはまぶたの下で眼球が
急速に動いているのでこのような名前がつきました。
ノンレムとは、そのような眼球運動が起こっていない状態のことですね。レム睡眠時には、身体は寝ているのに脳が半分起きている状態で、
このときに夢を見ます。
そして、ノンレム睡眠時には身体も脳も休んでいます。
寝入ってから3時間は、疲れを取るノンレム睡眠が多く、
その後は90分間隔でノンレム睡眠とレム睡眠が繰り返され
目覚めに近づくにつれてレム睡眠が多くなります。
レム睡眠はノンレム睡眠から身体を
目覚めさせる働きがあるわけですね。
さて、この睡眠サイクルを利用することによって、
疲れを取り、目覚めの良い睡眠をとることができます。
疲れを取るノンレム睡眠を多くとり、
眠りから覚めやすいレム睡眠時におきるようにすれば良いのです。
つまり、睡眠から
4時間半後、6時間後、7時間半後に起きるようにすれば
心地よい眠りと目覚めが得られます。
しかし、それ以上眠るとレム睡眠が続き、
浅い眠りが続くのであまり良い眠りが得られません。
寝すぎると余計に疲れた感じが残るのは、
このことも一つの要因ではないでしょうか。
こうして見ると、レム睡眠はないほうがいい気がしますが、
レム睡眠にも大切な働きがあります。
レム睡眠時には、起きている間に見たり聞いたりしたものを
一時的な記憶から長期的な記憶に固定します。
昼間の学習が多ければ、レム睡眠も増えることが確認されています。新生児は、毎日が学習なので睡眠の約半分がレム睡眠だそうです。
 結局、規則正しく、きちんと睡眠をとることが大切ってことですね。

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本日の心理学・名言1458-3

初頭効果と新近効果

今回も人間の記憶に関することについて紹介したいと思います。
「これからいくつかの単語を言いますから、
順番は気にせずによく覚えてください。
いぬ・やま・えんぴつ・コーヒー・カギ・ボール・ピアノ・ロープ・砂糖・
テレビ」
さて、このような問題を出されたときには、
いったいどのように記憶しているのでしょう。
たいがいの人は、単語が与えられるごとに、
「いぬ、いぬ・やま、いぬ・やま・えんぴつ、
いぬ・やま・えんぴつ・コーヒー、・・・・・・」というように口に出して、
あるいは頭の中で復唱していって覚えていくのではないでしょうか。
こういった問題を数人の人にしてみて、
解答を平均すると最初と最後に提示した単語は良く答えられて、
真ん中あたりに提示された単語は
あまり答えられないという結果になります。
このように、最初に提示されたものの再生率が良いことを”初頭効果”、最後に提示されたものの再生率が良いことを”新近効果(新近性効果)”と言います。
人の記憶には短期記憶と長期記憶というものがあります。
短期記憶とは、メモを見てから、
電話をかけるまでの数秒間だけ電話番号を覚えると
いうような記憶形式のことです。
この場合電話をかけた後には、番号を忘れてしまいます。
一方長期記憶とは、何度も同じ番号に電話を掛けていると、
次第に覚えてしまうといった記憶形式です。
人は何かを記憶しようとするとき、
短期記憶から長期記憶へと記憶を移していきます。
特に、英単語などを記憶しようとするときには、
リハーサルということをします。
リハーサルとは、
上に書いた例で言うと「いぬ、いぬ・やま、いぬ・やま・えんぴつ、・・・」というように何度も繰り返して覚えようとすることです。
初頭効果には、このリハーサルというものが関係しています。
簡単に言うと、「いぬ」は他の単語よりも多くリハーサル(復唱)され、
短期記憶から長期記憶へと移行した、ということです。
新近効果は説明の必要もないですが、
最後に提示されたものぐらいは覚えてられる、といったところです。
ここまでは、学習心理学の範囲です。
この”初頭効果”と”新近効果”は社会心理学に
おいても使われています。
社会心理学では、
複数の情報に基づいて態度や印象を形成したり判断を下すときに
最初に提示された情報が特に影響を与えることを
”初頭効果”、
判断の直前に提示された情報が強く影響することを”新近効果”と言います。
この2つの効果を念頭に置くと、
コンクールなどでの順番は
最初と最後が有利ということになりますねぇ。

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本日の心理学・名言1458-2

記憶の仕方

人間の記憶というものは、さまざまな特性を持っています。
今回は、記憶に関することがらを取り上げてみたいと思います。
伝言ゲームという遊びがありますが、
これには記憶の特性がよく出てきます。
伝言ゲームとは、最初の人にあるメッセージが提示され、
それを順々に次の人へと伝言していくという ゲームです。
最初に提示されたメッセージをそのまま伝えれば、
最後の人までメッセージがきちんと伝わるはずですが、
伝えていくうちに徐々にメッセージが変わっていき、
最後の人がかなりズレたメッセージを言うのが
このゲームの面白いところですね。
では、なぜメッセージがそのまま伝わらないのでしょうか。
人の話や長い文章などは、一語一句覚えていては、
とてもじゃないけれど覚えていられません。
そこで、与えられた言葉をそのまま記憶するのではなく、
話の内容と意味を覚えようとします。
内容をきちんと伝えていれば、
最初と最後でそこまで大きな違いが見られません。
しかし、伝言ゲームをしていると、
時には内容が大きく変わって伝わることもありますよね。
それは、人がある情報を記憶するときに、
その人が持っている知識構造に従えて記憶するからです。
つまり、同じ情報を与えられても人によってその捉え方が異なり、
記憶の仕方も異なるということです
(「たくさんの花」と聞いて、お花畑を想像する人もいれば、
大きな花束を想像する人など人それぞれです)。
そのため、伝えられたメッセージを伝えるときには、
自分の言葉に変えたり、
話の内容に筋が通るように合理化したりするのです。
だから、伝言ゲームをすると話の内容が
変わっていってしまうのです。

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本日の心理学・名言1458

知覚の選択性
写真を現像に出して、出来上がったものを見てみたら、
撮ったときには気づかなかったものが 背景に写っていた・・・、
なんてことはありませんか?
(心霊写真じゃなくて) また、会議の様子などを
録音(録画)するとそのときは
気づかなかった雑音がかなり混じっていた・
なんてことはけっこう経験されている方はいると思います。
目に見えるものはすべて見ていて、
耳に聞こえるものはすべて聞いていると思いがちですが、
人間の知覚では、無意識下でかなりの取捨選択がされています。
つまり、自分に必要な情報だけを取り込み、
不要なものは情報として処理をしないのです。
この情報の取捨選択がないと情報量があまりにも多すぎて、
処理しきれないともいえます。
自分に必要な情報というのは、状況によっても異なります。
たとえば、免許をもっている人はわかると思いますが、
初めて路上に出たときに あまりの標識の多さに驚きませんでしたか? それまで、自転車や徒歩、または車の助手席に乗っていたので、
標識は自分にとって あまり必要な情報ではなかったので、
視界には入るものの、無視をされていました。
しかし、自分が運転するとなると標識は自分にとって
重要な情報となり、 今まで気づかなかったものが
知覚されるというわけです。
自分に都合の悪い話は聞いてないフリする人は、
この例ではありません。
あくまでも、無意識下での情報の取捨選択です。

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本日の心理学・名言1457-9

学習性無力感
「どうせ何をやっても無駄だ」と
何かをあきらめてしまったことはありませんか?
または身近な人でそんな言葉を口にした人はいませんでしたか?
自分がどういう行動を取ろうが、
現実は何も変わらないという
無力感を持つようなことが時にはあるかと思います。
そのような無力感というのは学習によってもたらされるということを
実験によって示した学者がいました。
一匹の犬を部屋に入れて出れないようにします。
その部屋は、床一面と壁全面に
電流が流れるような仕掛けがされています。
電流を流すと当然、犬は走り回ってもがきます。
しかし、どこへ逃げても電流からは逃れられないために、
犬は抵抗することをやめてうずくまってしまいます。
次に、その犬を別の部屋へ移します。
今度の部屋は床の一部分だけ電流が流れるようになっています。
つまり、電流が流れないところに移動すれば
苦痛から逃れられるわけです。
しかし、電流を流しても犬は動こうとはせずにうずくまったまま、
電流の苦痛にひたすら耐えたのです。
少し動けば電流から逃れられるのに、
犬は「何をしても無駄だ」と思い、なんの行動も取らなかったのです。
このように、受動的で無気力な状態を、学習性無力感といいます。 「自分は無力だ」と感じるのは
何も絶望的な状況までいかなくても、
けっこう身近なところでも感じます。
たとえば、選挙の投票率が低いのは、
「どうせ自分の一票なんて・・・」と思ってしまうのも
1つの原因ではないでしょうか。

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本日の心理学・名言1457-8

ギャンブルにはまる理由

  世の中にはギャンブルの世界に身を投じてしまい、
借金に追われる人生を送る人もいます。
そこまではいかなくても、あなたの身近な人に
ギャンブル好きはいませんか?
今回は、人はなぜギャンブルにはまってしまうのか、
ということを心理学的に見ていこうと思います。
さて、ギャンブルにはまる理由を説明する前に、
学習心理学のオペラント学習レスポンデント学習
というものを知っておいてほしいと思います。
まず、レスポンデント学習ですが、
これを説明するには”パブロフの犬”が一番です。
大学の一般教養の授業で心理学をとった方や心理学に
興味があっていくつか心理学関連の書籍を
読んだ方は聞いたことがあるかもしれません。
パブロフという学者が犬を使って実験をしたのでそう呼ばれています。実験の内容ですが、犬にエサを与えると同時に
ベルを鳴らすということを何度も繰り返しました。
そうすると、犬はベルの音を聞くだけで唾液を分泌するようになります。犬はベルが鳴るとエサがもらえるということを学習したのです。
こういった学習をレスポンデント学習と言います。
次に、オペラント条件づけですが、
今度は犬の代わりにネズミに登場してもらいましょう。
スキナーという学者は、レバーを押すとエサが出てくる装置を
設置した箱の中に、空腹のネズミを入れてその行動を観察しました。
はじめのうちネズミは箱の中をただグルグルと動き回るだけです。
そのうちに偶然レバーに触れてエサがもらえます。
そして、ぐるぐる回ってはレバーに触れてエサがもらえる
ということを繰り返しているうちに、
「レバーを押せばエサがもらえる」ということを学習します。
一度学習すると、いったん箱から出して時間をおいた後に
再び箱に入れてもレバーを押すという行動をとります。
こういった学習をオペラント学習といいます。
ここからの説明がギャンブルにはまる理由を
説明する際に重要になってきます。
オペラント学習の実験にはさらに追加があります。
レバーを押せば必ずエサがもらえるグループと、
レバーを押しても必ずエサがもらえるわけではないグループの
2種類を用意しました。
レバーを押しても必ずエサがもらえるわけではない
グループのネズミも、
「レバーを押せば時々エサがもらえる」ということを学習します。
レバーを押すことを学習した後に、
両グループともレバーを押してもエサを与えることを一切やめました。
すると、必ずエサが出てきていたグループのネズミは
「もうエサが出てこないんだろう」とあきらめてレバーを
押さなくなったのに対し、
レバーを押してもエサがもらえなかったことがあるグループのネズミは「今度こそは」とレバーを押し続けました。
もうおわかりですね?ギャンブルはいつも当たるわけじゃないから、
はまってしまうのです。
「今度こそは・・・」という気持ちがあるからなんですね。
ギャンブルにはまっている人に「いつも負けてばっかなんだから、
ちょっとは学習したら?」などと言わないでください。
学習してるからはまってるんです。

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本日の心理学・名言1457-7

認知的協和・不協和理論

普通に生活しているといたるところで広告というものを見かけます。
テレビや雑誌、インターネット、電車の中吊りなど
広告を見かけない日はほとんどないでしょう。
広告の目的は、商品を知ってもらい、
そしてその商品を買ってもらうことです。
「あ、この商品気になるなぁ」と思ったときには、
その広告をよく見て、商品の説明を読みますよね。
でも、その商品を購入した後にも、
その商品に関する広告に目を通したりしませんか?
すでに購入済みで、広告にもずいぶん目を通しているのに、
なぜか広告を見てしまう。
そして、自分の買った商品がすばらしい商品であると
書いてあるとうれしくなる。
逆に、自分の買った商品があまりいいい評価を得ていないと、
不快な気分になり、いい評価を書いている広告を探してしまったり、
その商品の利点をいろいろ探したりしてしまう・・・、
そんなことはないでしょうか?
アメリカのフェスティンガーという心理学者はこのようなことを
認知的協和・不協和理論という理論で説明しました。
認知的不協和というのは、矛盾した2つの認知がある状況です。
そして、その不協和を解消するために、
比較的変えやすいほうの認知を変えて、
協和している状態にしようとします。
このままでは、ちょっとわかりにくいと思いますので
例をとって説明します。
たとえば、自分のセンスで新しい車を購入したとします。
購入後に、雑誌でその車がとてもよい紹介のされ方をしていました。
これは、認知的協和の状態です。
自分のセンスで買った車が、
世間的にもセンスのいい車であったわけですから。
しかし、雑誌での紹介のされ方が、
あまりいいものではなかったらどうでしょう。
自分のセンスと世間の評判が食い違っていて、
認知的不協和の状態になってしまいます。
このとき、比較的変えやすい
どちらかの認知(自分のセンスか世間の評判)を変えて、
協和させなくてはなりません。
自分のセンスのほうは否定しにくいものですので、
雑誌の評価をどうにかしなくてはなりません。
たとえば、その雑誌はいつもでたらめばかり書いていると
雑誌自体を否定したり、
「その車は外見はちょっとセンス悪いけど、なにより燃費がいい」と
ほかのいいところを探したりしてなんとか協和させます。
自分のセンスを否定することは難しくても、
購入の際に自分以外の誰かの意見が反映されていれば、
たとえば奥さんが「この色がいい」といったとしたら、
「この色のセンスは自分のセンスではない」として、
認知的協和の状態にもっていけるわけです。
商品を購入した後も、
広告を見てしまうのは自分が買ったのは正しかったことを
再確認して、認知的協和の状態を維持するためです。

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本日の心理学・名言1457-6

会話上手は聞き上手
「会話上手は聞き上手」。
こんな言葉をきいたことがありませんか?
人と会話をするのがうまい人というのは、
話すことがうまい人ではなく聞くことがうまい人である、ということです。 みなさんの周りにいませんか、
「この人と話していると、なんか話題が弾むなぁ」と思う人は。
そういった人は、意識的にか無意識的にかは分かりませんが、
会話を滑らかにするテクニックを持っています。
では、そのテクニックというのはいったいどのようなものでしょうか。
まったく、難しいことではなく、ごくごく簡単なことです。
それは、「うなずき」です。
うなずきは、相手の話を積極的に聞こうとしている態度であり、
理解している証拠でもあります。
実験の細かい内容は省略しますが、
Matarazzo et al.(1964)の実験によると
聞き手がうなずきを積極的にしたグループでは、
うなずきをまったくしなかったグループよりも、
話し手が話す時間が50%も長くなったそうです。
これは、聞き手の適切なうなずきが、
話し手の話を引き出しているということです。

大学の授業の体験で、
カウンセラー役とクライエント役にわかれてロールプレイをしたときに、 カウンセラー役がまったくうなずかなかったらどうなるか、
ということをやったのですが、
途中で話しているのが嫌になってしまいました。
うなずかないだけで、聞いているのは分かっているのですが、
どうにもこうにも話が続けられなくなってしまいました。
授業の実験でさえそうなってしまうのですから、
実際の会話ならなおさらですよね。
結論としては「会話上手は、うなずき上手」ってことです。
どうです、簡単でしょ?

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本日の心理学・名言1457-5

感覚順応
人間の感覚、知覚能力には「順応性」というものがあります。
みなさんが一番よく経験するのは、
暗闇に対する視覚の順応だと思います。
夜電気を消してすぐには、周りにあるものが何も見えないけれども、
30分もするとだんだんと見えてくるというものが、感覚の順応性です。 また、とてもカビ臭い倉庫に入った時に、
最初はとても耐えられないと思っていたのに、
気がつくとあまり匂いが気にならなくなっていた、
というのも嗅覚が順応しているということです。
感覚を含めた認知の順応のせいで、
人間は少しずつの変化には気がつきにくいのです。
家族や身の回りの友人にはまったく言われたことがないのに、
久しぶりに会った人に、
「痩せたね」とか
「背伸びたんじゃない?」とか言われたことはありませんか?
毎日顔をあわせている人には、
徐々に変化している様子が感じられないのです。
今回は、心理学というよりも
生理学っぽいなと思ったかもしれませんが、
心理学という学問は、心理学だけで独立しているわけではなく、
生理学、神経生理学、 社会学、教育学、宗教学など
さまざまな分野の学問と絡み合っているので、
今回のテーマも心理学の分野であると言えるのです。

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本日の心理学・名言1457-4

行動への逃避
人はよくウソをつきます。
しかも、時と場合に応じて巧みに使い分けます。
ドイツの心理学者シュテルンは、
「ウソとは、だますことによってある目的を達成しようとする
意識的な虚偽の発言である」と定義しています。
ウソには、詐欺や偽証などの
明確に人を欺こうとするものもありますが、
お世辞などの人間関係を円滑にするためのウソもあります。
ウソというものは、隠そうとしていてもとかく行動にでやすいものです。 隠し事があるとむやみにおしゃべりになったり、
ウソをついているときにはなにかソワソワしていたりと、
いつもと違った行動をとることがあります。
こうした行動を「動作・行動への逃避」といいます。
そこで、ここではしぐさや身振りからウソを見抜くポイントを
紹介しましょう。
まず、手の動きから自分の本心が
見抜かれてしまうのではないかと恐れて、
腕組みをしたり、 ポケットに手を突っ込んだりして
手の動きを止めようとします。
また、口の動きを見えないように、
口や鼻を触ったり、視線をずらすために顔をあちこち触ったりします。
さらには、その場から立ち去りたいという思いから、
頻繁に姿勢を変えたり、矢継ぎ早に話をしたり、
手っ取り早く話を終わらせようとします。
まぁ、ざっとこんな感じですが、
どうも「自然に、自然に・・・」という気持ちが、
不自然な行動を招くようです。
ウソに関してもう一つ付け加えたいと思います。
詳しい実験の内容は省略しますが、
実験によりどうも顔の右半分よりも左半分のほうが感情が出やすい、
ということがわかりました。
ウソを見破るときは顔の左半分を見ろ、
ウソを隠すときは左半分を隠せ!?

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本日の心理学・名言1457-3

デジャ・ヴュ(既視体験)
みなさん、デジャ・ヴュという言葉は聞いたことがあると思います。
初めて行った場所なのに、
なぜか以前に来たことがあるような気がする・・・、
初めて経験することなのに、初めてじゃないような気がする・・・、
このような現象を心理学では、
デジャ・ヴュ(既視体験)」と呼んでいます。
人間は、いつどこで何をしたかということを記憶していきますが、
それらの記憶はすべて完全なものではありません。
とくに、幼少期の記憶というものは
断片的で、とてもあいまいなものです。
たとえば昔、デパートに連れて行ってもらった記憶は忘れていても、
いくつかの場面の映像だけが
介護湯 記憶に残っていることがあります。
その後、何年か後にデパートに行くと、
初めて行ったところなのに以前に来たことがあるような感じがします。
このように、断片的に残っている記憶と
目の前の風景や状況を同一視して、
いつかどこかで 同じ経験をしたことがあるような感じになります。
これは、過去の断片的な記憶と完全に一致しなくても、
その状況が似ているだけでも起こります。
また、実際に体験した記憶だけでなく、
テレビや映画、写真などで見た映像が
目の前の出来事と重なってデジャ・ヴュとなることもあります。
ちなみに、デジャ・ヴュとは逆に、
何度も経験していることを初めて経験するかのように感じることを、
ジャメ・ヴュ」といいます。

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本日の心理学・名言1457-2

@「何でもいい、一つに自信が持てると、大きく人生観が変わる。
やればできる!この自信が私の人生を支えています。」
by 淡谷のりこ

@すべての出会いに、感謝しましょう。
偶然のように思える出会いも、実はすべて必然なのです。
そして、あなたを喜ばせたり楽しませたりする人だけではなく、
悲しみやせつなさを味わわせてくれる人というのも、大事な人。
一期一会の出会いに感謝しましょう。
by江原啓之(えはら・ひろゆき*スピリチュアル・カウンセラー)

@『「会える」というのはご縁なのです。
同じ時間を共有できるのは、あなたとその人の間に、
並々ならぬ縁の深さがあるからなのです。』by 瀬戸内寂聴

@毎日、人の数だけ違う事が起こっている。
同じ日なんて無い、
一瞬も無い。
自分に起こる事をよく観察し、面白がったり考え込んだりする事こそ、
人生の醍醐味だと思う。
byさくらももこ(漫画家・作詞家・脚本家)

@「面白がってやっているヤツと、苦労してやっているヤツと、
どっちが勝つかな。
やっぱりさ、面白がってやっているヤツにはかなわないんだよ。」
by 青島幸男

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本日の心理学・名言1457

@『正直に自分の無知を認めることが大切だ。
そうすれば、必ず熱心に教えてくれる人が現れる。
byウォルト・ディズニー 氏

@『恩を受けた人は、その恩を心に留めておかなければならない。
しかし、恩を与えた人は、それを覚えているべきではない。』
byマルクス・キケロ  氏

@人間にとって本当に幸せは、光の下にいることではないと思う。
その光を遠く見据えて、
それに向かって懸命に走っている、
無我夢中の時間の中にこそ、人生の充実があると思う。
by安藤忠雄(あんどう・ただお*建築家)

@「人生というのは、
どのくらい無我夢中の時間を過ごせるか、で決まると思う。」
by 大島渚

今できることの半歩先のことをコツコツと積み上げてきた結果です。やればできる!
by原 晋(はら・すすむ*青山学院大学陸上競技部監督。

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本日の心理学・名言1456-12

部分刺激の拡大効果
人は、あるひとつのことを繰り返しほめられると、
しだいに自分のすべてがほめられていると思うようになり、
自信が出てきてほかの部分もよくなっていきます。
これは「部分刺激の拡大効果」とでもいうものであり、
自我の一部へのほめ言葉を、
自我全体に拡大していく心理メカニズムです。
たとえば、国語や算数といった科目は苦手であるが、
絵には自身をもっている子どもに、その絵のことをほめ続け、
ことあるごとにその才能を発揮できる場をつくったら、
ほかの科目もできるようになっていったということや、
自分の容姿に自身のない女性に、
「君の瞳はすばらしい」といい続けたら、
しだいに表情もいきいきしてきて魅力的な女性になった、
ということがあります。
やっぱり「ほめる」ということはいいことなんですね。
お互いをほめあい、お互いが豊かになれるといいですよね。
ただし、人からほめられても謙虚に受け止め、
あまり調子に乗らないようにしましょう。

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本日の心理学・名言1456-11

匿名効果
最近ではインターネットの普及により、
個人が情報を発信する機会が増えてきました。
それに伴う問題が、「匿名性」というものです。
残念ながら人は、自分に責任が及ばないと、
どんな嘘も非道徳的なことも平気でやってしまうという側面を
持っています。
掲示板などの書き込みで、誹謗・中傷など目に余る内容を
見かけることが時々あります。
しかし、そういった内容を書く人のほとんどが
メールでの誹謗・中傷をしません。
メールだとアドレスがわかってしまい、
自分の匿名性が保障されないからです。
匿名効果はなにもインターネットのような
仮想世界においてのみ起こるものではなく、
「没個性化」(注)でも紹介した、集団においても起こります。
共通の関心や目的があって一体感が強い集団にまぎれると、
無名になった個人は、自我が薄れ 「群集我」に巻き込まれ、
理性の判断が弱まり、大胆な行動に出てしまいます。
人間には、普段は抑えている攻撃的で恐ろしい一面があります。
ふとした拍子に、しかもけっこういとも簡単に
抑えていたものが外れてしまうこともあります。
できるだけ他人に迷惑のかからない
発散の仕方で発散しましょう。
(注)「没個性化」:集団・群集状況では個人状況と異なり,
平生は抑制されていた行動,
特に非合理的,刹那的,攻撃的,反社会的な行動が
起きやすくなるという現象を扱った概念。

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本日の心理学・名言1456-10

ゴール・ダイレクテッド・ビヘイビア(目標指向行動)
ゴール・ダイレクテッド・ビヘイビアとは、
ある目的・目標をもって行う行動であり、
人は目的・目標があると、それに向かって行動が積極的になります。
そして、目標が具体的であればあるほど、この傾向は強くなります。
たとえば、いつもはお寝坊さんで
朝食もそこそこに出かけていくお父さんが、
休日に釣りに行くときだけは
普段よりも2時間も早く起きて出かけていく・・・、
なんてことがゴール・ダイレクテッド・ビヘイビアです。
釣りに行くという具体的な目標(ゴール)があるために、
行動が積極的になったということです。
ただし、目標が抽象的だったり、
たんなる理想に過ぎなかったりすると、ほとんど効果がありません。
また、目標が自主的であるということも効果が出る条件になります。
いくら、大好きな釣りだといっても、
あまり好きではない上司との付き合いという、
好ましくない状況になると おきるのが
おっくうになるのは当然ですよね。

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本日の心理学・名言1456-9

テンション・リダクション(緊張解消)
これから自分にとって重要な出来事(テストや発表など)が
ある場合には、それを乗り越えるための身がまえし、緊張します。
しかし、その一連の出来事がすんでしまうと、
その身構えと緊張が解けて心理的に無防備な状態になります。
これを、テンション・リダクションといい、
この瞬間は非常に要注意です。
いわゆる、緊張の糸が切れた状況です。
緊張を強いられる出来事が去っていった後は、
緊張から開放されるのは当然です。
しかし、緊張から開放されると
それまで集中していた注意力が散漫になり、
思わぬ事故に会ってしまったり、忘れ物などをしやすくなるのです。
疲労が増すこともあわせて、
緊張度が強ければ強いほどこの傾向は強まります。
遠足の最後に先生が言う決まり文句を
思い出していただけるとわかりやすいでしょう。
「家に帰るまでが、遠足です。」

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本日の心理学・名言1456-8

プラシーボ効果
新薬を開発すると、
それが本当に効き目があるかということをテストします。
その時に使うのが、プラシーボ(プラセボ・偽薬)です。
有効成分が含まれる薬を投与するグループと、
有効成分がまったく入っていない偽の薬を投与するグループをつくり、経過を見ます。
このとき、どちらのグループにも効き目がある薬だと言っておきます。
なぜ、このようなテストをするかというと、
薬の効き目は人の心理的作用に左右されることがあるからです。
多くの場合、偽薬を投与された人の数%に症状の改善が見られます。 まったく有効成分が入っていないにもかかわらず、
効果が出てしまうのです。
2つのグループの効果の出かたの差が大きければ、
その新薬は効果的なものであることになりますが、
差があまり大きいといえない場合には、
効果が期待できないということになります。
これを知っていると、
「バ○ァリンの半分はやさしさでできています」というのも
うなずけませんか?
まぁ、あれは胃にやさしい成分が入っていると
いうことだったと思いますが、
薬なんてものは「効き目半分、気持ち半分だ」とも
解釈できちゃうんですよね。
余談ですが、この効果を実感した体験談をちょっと。
大学でお花見をしたときのことです。
お店からお酒をたくさん調達してきて、お花見をしていたのですが、
けっこう飲んでるのに僕自身がいっこうに酔う気配がありませんでした。 そして、ふと缶をみると、アルコールの入っていない、
ただのジュースがかなりの本数混じっていたのです。
(ラベルだけ見るとお酒にしか見えないものでした) どうりで酔わないわけだと思って、
友達に言おうとしたら(友達も気づいていなかった)、
微妙に酔っ払ってハイになっていました。
ほかにも数人、ジュースしか飲んでないのに
大分酔っているのがいたので、
「これは、おもしろい。プラシーボってやつか」と思い、
ジュースばっかりであることを告げずに観察することにしました。
そうしたら、おもしろいことに
ジュースで一気(本人は酒を一気しているつもり)が始まったので、
本来は一気は嫌いなのですが、
ジュースだから大丈夫だろうと思いながめていると、
あれよあれよという間に、 見事に酔いつぶれてしまったのです。
ジュースを一気して酔いつぶれた男の近くにいた友達に、
「あれってジュースだったんだよ」と言うと、
「マジ!? ってことはあいつジュースでつぶれたって事?
ジュースしか飲んでないよ」とのことでした。
人間の思い込みって・・・。
以上、ジュースだけで酔っ払ってつぶれた男の話でした。
さて、あなたの気になるあの人は、
あなたを見たときにどんな「目の動き」をするのでしょうか。

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本日の心理学・名言1456-7

視線の心理学
目は口ほどにものを言う。 みなさん、この言葉は知ってますよね。 ”目”というものは、心の動きがよく出るところなんです。
よく言われるのが、男はウソをつくときは視線をそらし、
女はウソをつくとき視線をはずさない、というものです。
また、視線はコミュニケーションの中で、
かなり重要なウェイトを占めています。
相手に対する関心や好き嫌いを伝えるためにも利用されます。
相手が興味をひくような話をしていれば、
相手の目を見て聞きますが、
あまりおもしろくない話だと、
けっこうキョロキョロといろんなところを見ますよね。
しかし、いくら目を合わせるのが好意の現われだといっても、
長い時間の凝視は 相手に不快感を与えてしまいます。
心理カウンセラーなど対人援助において
クライエントさんの話を聴くときは、 そうした点にも注意を払っています。
視線ではないのですが、
せっかくなので瞳に関することにちょっと付け足しを。
視線だけでなく、
「目」自体にも心の動きに合わせて動きが現れることもあります。
関心があるものを見ると、瞳孔が拡大するのです。
こうして考えると、ホントに「目は心の窓」だなぁ、
と思いますね。

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本日の心理学・名言1456-6

間接強化
学習や作業への意欲を褒め言葉や報酬などで高めることを
強化”と言いますが、
その強化のしかたによって意欲の高まり方は違ってきます。
ここでは、相手に対する「褒め言葉」に関しての
強化に焦点をあててみようと思います。
たとえば、あなたの創作した作品を見た
Aさんに「すばらしい作品ですね」と直接的に褒め言葉を言われるのと、 Aさんに「さっきBさんが、あなたの作品ほめてたよ」と
間接的な褒め言葉を言われるのでは、どちらがうれしいでしょうか。
まぁ、状況にもよりますが、直接言われるの(直接強化)は、
社交辞令としてのお世辞、下心のようなものが
入っているかもしれませんが、
間接的に言われるの(間接強化)は、
本当に褒めてくれている気がしませんか。
このように、第三者からの言葉には
利害関係が感じられず真実性があるので、素直に聞くことができます。 これが、間接強化の効果なのです。
相手のことを直接ほめるのもいいのですが、
上述のようにお世辞や社交辞令のように
取られてしまう可能性があります。で
すので、ほめたい人(Cさん)がいたら、
直接ほめずにその相手の親友などすぐそばにいる人(Dさん)に
「Cさんって、○○がいいよね」とさりげなくほめておいて、
Cさんに伝わることを期待しましょう。
もちろん、Cさんに伝わるという確証はありませんが、
DさんがCさんに嫉妬などをしない限りは
伝わる可能性は十分にあります。
なぜなら、それは良い情報だから。
CさんをけなすようなことであればDさんは伝えるかどうか迷い、
通常は伝えるべきではないと判断して秘密にしますが、
良いことであれば秘密にする必要はないでしょう。
ただし「沈黙の強化」(注)で説明しているように、
場合によってはDさんがけなされているように
感じてしまうこともありますので注意が必要です。
そうなった場合には、Cさんに伝わる可能性が低くなります。
そうならないように、Dさんのこともそれなりにほめつつ
Dさんの自尊心を満足させておき、
さらっとCさんのことをほめておきましょう。
あとはDさんが思い出して伝えてくれるかどうかです。
Cさんに伝わる可能性はDさんにかかっていますが、
先にDさんに伝えておく効果は十分にあります。
Dさんに伝えてしばらしくした後、
Cさんに対して直接ほめてみてください。
Dさんがすでに伝えていれば、
Cさんはそのほめ言葉をお世辞とは受け取らないことでしょう。
まだDさんが伝えていないとしても、
その後に効果が出ることが期待できます。
多くの人は”他者に認めてほしい欲求
”つまりはほめてほしいという気持ちがあり、
ほめられたときには嬉しく感じ、誰かに話したくなるものです。
その誰かというのは、
身近な存在であるDさんである可能性が高くなります。
CさんがDさんに対してほめられたことを報告したらどうなるでしょうか。普通だったらDさんは「そういえば以前に、
私にもCさんのことほめてたよ」となることでしょう。
これにより、直接ほめられた時にはお世辞かもしれないと
思ったCさんも、本当にほめてもらえているということが
確信できるでしょう。
ちょっと打算的だなと思われる方もいるかもしれませんね。
日本人は人のことをほめるのが下手だと言われています。
面と向かって言うのはちょっと気恥ずかしい関係もあります。
でも、他の人を介してだったら、
比較的簡単にほめることができそうに思いませんか。
管理職やサークル長・部長など人をまとめる必要がある人は、
こういったちょっとしたスキルを使って、
うまくモチベーションを引き出すことも必要だと思います。

(注)暗黙の強化
普通はほめ言葉や報酬によって行われる強化のなかには、
ほめ言葉を違った形で伝えるやりかたもあります。
それは、暗黙の強化といわれるもので、
どんなものか簡単に言うと、
ほめたい人と比較対象になる人をけなします。
けなされてない人は、
自分自身についてはけなされてもほめられてもいないのに、
相対的にほめられているのと同じような感じがします。
逆に、比較対象となっている人がほめられていると、
自分がけなされているような感じがします。
ちょっとわかりにくいかもしれないので、
兄弟を例にとって説明します。
兄弟はよく比較されがちですが、
親が兄のことばかりをほめていたら
弟は自分がけなされているように感じてしまいます。
逆に、いつも弟が叱られていると、
兄のほうは自分がほめられているような感じがします。
一人っ子の人もいるかもしれませんので、
恋愛を例にとってみます。
では、想像してみてください。
自分の彼氏(彼女)が、自分以外の女性(男性)のことを
ベタぼめしていたらどんな気持ちがしますか?
あまりいい気持ちではないでしょう。
特に、その女性(男性)が自分に身近な人で、
ライバルのような人だったらなおさらでしょう。
こんなんでわかっていただけたでしょうか?
第三者のことをあまり悪く言うのは、
陰口になるのでお勧めできません。
ただ、自分が好意を寄せている相手の前で、
第三者のことをほめるのはホドホドにしておいたほうが
いいということを覚えといてください。

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本日の心理学・名言1456-5

Plateau(プラトー)
どんなにすばらしい芸を身につけている達人でも、
極みに達するまでには
平坦な道を歩いてきたわけではないと思います。
1つのことを身につけるまでには、挫折やスランプなどがあります。
ブライアントハーターという心理学者は、
1つの技術を習得するには、意識とは無関係に、
進歩が止まる ”踊り場”があることを突き止めました。
これを、「練習の階級説」と呼び、
技術は直線的に向上するのではなく、
ある段階に達すると「練習の高原(プラトー)」と呼ばれる
いわゆるスランプに陥ります。
横軸に時間、縦軸に達成度をとる学習曲線で見ると、
この時期の曲線形がプラトー(高原)状態になっているため、
このように呼びます。
プラトーはどんなに才能がある人でも、
避けて通ることができない道であって、
そこさえ通り抜けることができれば技術はまた進歩する、
というのが彼の説です。
言ってみれば、スランプは次なる進歩のための
充電期間といったところでしょうか。
の現象の出現する原因としては、
課題に対する動機づけ(やる気)の低下、適切な学習方法の獲得の失敗、大きな練習単位への移行の困難さなどが指摘されています。
将来有望としてプロの世界に足を踏み入れた
ルーキーがいつのまにかいなくなってた・・・、
なんて話はけっこうありますよね。
そのほとんどが、スランプから抜け出せなくなって、
そのまま表舞台に 出れずに終わった人だと思います。
最近のメディアはスランプに陥るとバシバシ叩きまくりますからねぇ。
スランプに陥ってる人がいたら、
周囲の人はあたたかく見守って欲しいものです。
また、スランプに陥ったら充電期間に十分充電して、
這い上がるための機会をじっくりうかがいましょう。

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本日の心理学・名言1456-4

恋愛の類型
恋愛というものには、
人それぞれスタイルというものを持っていることは、
みなさん経験的に知っていますよね。
情熱的な恋愛を好む人、
友情関係の発展的な恋愛が多い人・・・などありますが、
ここでは、S.S.ヘンドリックらによって類型化されたタイプを紹介します。

基本的な恋愛スタイル
エロス (情熱的な恋愛)
恋愛を最高のものと考え、ロマンティックな考えや行動をとる。
互いに理解し合っていると考え、強烈な一目ぼれを起こす。

ストーゲイ(友愛的な恋愛)
穏やかな、友情が発展した友情的な恋愛。
長い時間をかけて愛がはぐくまれ、
終局に鳴っても友情関係を維持したいと考える。

ルダス (遊び感覚の恋愛)
恋愛をゲームとしてとらえ、自分の楽しみを優先する。
相手とある程度距離をおこうとし、相手に頼られるのを避ける。
複数の相手と恋愛ができる。

##マニア (熱狂的な恋愛)
独占欲が強く、絶えず相手のことが気になる。
嫉妬、悲哀などの自分でコントロールできにくい激しい感情を伴う。

プラグマ(実利的な恋愛)
%恋愛を計算高く考え、相手を選ぶ時に相手の将来性、
社会的地位・経済力などの釣り合いを考慮する。

アガペ(愛他的な恋愛)
%相手を中心に考え、
相手のためになるなら自分自身を犠牲にすることもいとわない。

自分がどのスタイルに属するのかは、Psychology Todayに掲載されている質問に答えることによって分かります。
日本において、社会心理学者の松井らが大学生を
サンプルとして調査した結果、
男性は女性よりもアガペ(愛他的な恋愛)を念頭におく傾向が強く、
一方、女性は男性よりもルダス(遊び感覚の恋愛)と
プラグマ(実利的な恋愛)を念頭におく傾向が強かったそうです。
この結果によると、女性の方がゲーム感覚で
計算高い恋愛をする人が多いようです。
みなさんの周りの人はどうでしょうか?

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本日の心理学・名言1456-3

好意の返報性
好意を深めたいと思う相手がいるのであれば、
自分がその人に好意を寄せていて、
その人のことを高く評価 しているということを、
相手に伝わるように示すことがとても有効です。
理屈で考えなくても、
自分のことを好意的に思ってくれる相手のことは、
好意的に思えますよね。
少なくとも、自分のことを悪く思っている相手よりは
好きになれますよね。
このように、人は自分を肯定的に評価してくれる
他人のことを好きになる傾向があります。
これを、「好意の返報性」といいます。
人は普通、誰かに認められたい、
高く評価されたいという欲求をもっているので、
その欲求を満たしてくれる相手を好きになるということです。
異性・同姓問わず、
自分のことを認めてほしければ、
まず相手のことを認めてみてはいかがでしょうか。
ただし、好意の返報性は
自分のことを肯定的に理解している人には有効ですが、
自分のことを否定的に 理解している人にとっては
あまり効果がないそうです。
また、「お世辞」も”好意”として受け取ってくれる人もいれば、
お世辞を言われるのが苦手な人も いるということも
覚えておかなければいけないと思います。

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本日の心理学・名言1456-2

トイレ利用実態調査
今回は、ちょっと風変わりな心理実験を紹介します。
それは、トイレの使われかたを観察して、
使用者の心理的状態を探ろうとするものです。
実験の結果、男子トイレでは入り口から
一番遠いところが最もよく使われ、
その次に手洗い場から2つめのところが
よく使われることがわかりました。
一方、女子トイレでは端っこよりも、
真ん中あたりのトイレがよく使われるという結果になりました。
女子は男子と異なり、
中ほどのほうが安心できるという心理が働いているようです。
男子のほうでは、
2人が同時に利用する時には
お互いになるべく離れて用を足すことも分かりました。
これは、お互いのパーソナルスペースが
重ならないようにするためです。
また、3つ便器がある男子トイレにおいて、
片端の1つを使用不能にして
隣り合わせにならざるをえない状況をつくると、
離れてするときよりも排尿に要する時間が短くなることもわかりました。 これは、自分のパーソナルスペースに他人が侵入すると、
できるだけ早くその場から立ち去りたいという心理が働くためです。
うちの大学の先生は、
他があいているにも関わらずわざと隣に行って用を足して、
隣の人を観察するのが好きだそうです。
あんまり、良い趣味だとは言えませんね。
ゆっくりと用を足させてあげましょう。

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本日の心理学・名言1456

@偶然からは感謝は生まれてこない。
特に仏教は因縁の不思議を知らせてくれる教えである。
因縁の糸は広大無辺である。
それを知ると生きていることがありがたく、
生起する一つ一つが生き生きしてくるのである。
従って、病気も治ってくるであろう。
困難も突破できるであろう。
どうか必然の理を知り、
二度とない人生を意義深いものにしていただきたい。
by坂村真民(さかむら・しんみん*仏教詩人)

@「この世に起こることは全て必然で必要、
そしてベストのタイミングで起こる。
by 松下幸之助

@今度会った時に○○しよう」と言う人は、今何もしないのです。
「今度」を消して「今」に変えることです。
「今」思いついた行動は、「今」やっておかないと一生できないのです。
by中谷彰宏(なかたに・あきひろ*作家)

@「今やるべきことが目の前に存在しているなら、
それを手を抜かずに感謝してやることで初めて、
ちゃんとした次の仕事や役割が与えられるのだと思います。
by 小林正観

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本日の心理学・名言1455-10

パーソナル・スペース
人はそれぞれ、パーソナル・スペースというものをもっています。
いったいどんなものかというと、
コミュニケーションをとる相手との物理的な距離のことです。
簡単に言うと”縄張り意識”です。
(心理的な私的空間なので持ち運び可能な縄張りと言えます)
たとえば、親密な関係の人とは近い距離で話ができるけど、
初対面の人がいきなり近づいてきたら、
不快な気分になりますよね。
それは、自分のパーソナル・スペースに侵入されたからです。
では、具体的にはどのくらいの距離になるのでしょうか。
以下に表としてまとめました。
#相手との関係
%対人距離
@シチュエーション

#親密な関係
%45cm以内
@家族・恋人などとの身体的接触が容易にできる距離

#個人的関係
%45~120cm
@友人などと個人的な会話を交わすときの距離

#社交的関係
%120~360cm
@職場の同僚と一緒に仕事をするときなどの距離

#公式的関係
%360cm以上
@公的な人物と公式的な場で対面するときの距離

これは、あくまでも一般的な距離ですので、個人差はあります。
とても外交的な人は、
パーソナル・スペースが全体的に狭くなることがあるでしょうし、
逆に、内向的な人はもっと広くなるかもしれません。
人それぞれにパーソナル・スペースをもっていることを意識して、
良いコミュニケーションがとれるといいですね。

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本日の心理学・名言1455-9

罰への欲求
人生にはツキがあるときと、ツいてないときがありますが、
あまりにも良いことが重なり、
ツキすぎているとなんだか恐くなったりしませんか?
ツキすぎていて、かえって不安になったりしませんか?
そして、少しつまづくような出来事に遭遇すると、
「やっぱりいいことばかりは続かない」なんて、妙
に安心してしまったり・・・。
それが、無意識的な”罰への欲求”というものです。
アメリカの心理学者ディヒターも、
人の心は常に快楽と罪悪感が同居していると言っています。
スポーツなどで、なかなか3連覇が難しいのはこういった心理的な作用が働くからなのでしょう。
良いことが立て続けに起こったときには、素直に受け入れて喜んだほうがよさそうですね。

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